毎回記事を書くときには、カテゴリを決めなければいけません。
今日は女性がオーガズムに達した状態に関しての記事を書こうと思っているのですが、適当なカテゴリがみつからず、結局、超常現象ということにしました。
僕にとっては毎回のように体験している女性のオーガズム状態ではあるのですが、それがいったいどのようなものかを知る方法がありません。
校庭でみんながUFOを目撃しているのに、僕だけ見逃していて一度も見たことがないといった感じです。
先日、小説を書くにあたって勉強のために本を注文しました。
その中に、渡辺淳一さんの失楽園があるのですが、その冒頭が女性の台詞から始まります。
凛子という女性がいままさに逝く直前に漏らす言葉です。
「怖いわ・・・・・」
少し前に施術をした女性から同じような言葉を聞いたことを思い出しました。
彼女の場合は、直前ではなくこれから本格的な性感マッサージを始めるという時でした。
「逝くのが怖い・・・・・」
施術は3回目だったので、過去2回とも絶頂を体験していて、初めてのことではないにもかかわらず恐怖心を抱かれていたのです。
凛子も久木との情事の際に何度も絶頂を体験し、その都度言葉を発しています。
「だめ・・・・・」
「ゆくわ」
「助けて・・・・・」
など。
人間が怖いと感じる時を考えてみると今の状況から先の状況がわからない不安が湧いたときや自分にとって受け入れがたい状況が予想できたときのような気がします。
たぶんオーガズムを迎える前に抱く恐怖心は、未知の世界に行くことへの不安から発生しているはずです。
凛子が発した言葉は、単にその瞬間における体感だけではなく、最後に久木と死んでいくという自分の未来を垣間見たからなのかも知れません。
冒頭の言葉がこの本のテーマそのものなのでしょう。
施術の際によく聞かれるのは、「真っ白になる」という言葉です。
考えるということも一つの脳からの命令であって、その瞬間だけは脳の領域では制御できないところへ、意識(自己)が移動しているのかも知れません。
ベッドの上やホテルの部屋を越えて、時間も空間も関係ない場所に到達しているといっても、誰もそれを否定することは出来ないはずです。
それだけ神秘的なものではあるのですが、僕自身はそれにこだわってしまうのは、愛するもの同士にとってマイナスになると考えています。
オーガズムや射精は、あくまでも副産物程度の扱いにしないと癒したり安心感を得たりするということが、軽視されてしまうからです。
愛し、愛されているということを実感するためには、必ずしも絶頂体験は必要ではありません。
挿入することにもこだわらなくていいはずです。
男性の場合は、自分が勃起して最後に射精することが大切だと考えがちですが、女性が至福の表情を浮かべている状態を心から楽しめるようになると射精時における数秒間のオーガズム体験は、とてもちっぽけなものに感じるようになります。
また女性のほうも、最後は男性が射精しなければという固定観念を捨てて欲しいと思います。
子供を作るためであれば別ですが、子作りとは関係ないセックスであるのなら、もっと楽しむ方法がたくさんあります。
のぼりつめた瞬間というのは、肉体的に現れる変化ではなく二人の意識の到達点を目指し、手をつなぎながらゴールする瞬間だと思います。
300字小説 第5回
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『オキシトシン』
「A子さんが、静かなので・・・」
MはA子の肩甲骨を揺らすように撫でながら話し始めた。
「今は、この後の性感マッサージの効果を高めるための下準備として体に話しかけているんです。その為にあまり関係のない話はしないようにしています」
「体に話しかけるって?」
「体、とくに肩甲骨などが硬くなっている人は、問題をたくさん抱えて処理しきれていないので、労ってあげるというか、今日は安心してリラックスしてくださいねって語りかけるんです」
その他の部位に関してもいろいろな語りかけをするのだとMは答えた。
「優しく語って撫でてあげると、オキシトシンというホルモンが分泌されるんです」
Mへの安心感は、それが作用しているようだ。
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