※この記事は、2013年の6月に書かれたものを転載しています。
暑くなってきましたね。
僕の事務所兼自宅は地下にあるので、それほど季節の移り変わりを実感できないという恵まれた(?)環境にあるのですが、昼ごはんを食べて急に睡魔に襲われて昼寝を3時間ほどし終わって、はたとブログのネタがまったく思いつかないことに気づきました。
しかたがないので直射日光が頭皮に容赦なく降り注ぐ中、ぶらぶら出かけることに。
でもいくら大阪とはいえ、それほど面白い人は見つからなくて、しいて言えばホームセンターで組み立てる台所の20センチほどの隙間に丁度納まるキャスター付の収納を補助歩行器具のように活用して散歩している身長130センチぐらいのおばあさんが前から歩いて来たぐらいです。
あの不安定な収納ケースではそれほど体重もかけられないだろうし、逆にアスファルトのごろごろした道を歩くにはそれなりの平衡感覚が必要ではないかと変に感心してしまいました。足腰強いんじゃないのかな?って感じでした。
まあそんなことはどうでもいいのですが、結局古本屋さんによったところ面白い本を見つけました。
主婦の友です。
昭和50年発行の2月号です。
40年近く前の本ですが、当時の定価が530円で、古本屋さんでは500円で売っていました。
高いか安いのかはよくわかりませんが、500円の投資以上の内容が盛りだくさんです。
興味が湧くことがたくさん書かれていたのですが、この本を買おうと思った一番の記事は、1万人以上の女性に処女膜再生手術を行った医師の手記です。
冒頭を少し転載させていただきます。
その記事のタイトル「妻が過去を夫に告白するのは思いやりのないエゴではないだろうか」です。
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文化人や政治家を網羅したある会合でスピーチを所望されたとき、司会者がこんなことを言って、私を紹介しました。
「松窪博士は、今までに1万人以上の処女膜の手術をなさったことで有名なかたですが、先生があの世へ旅立たれますときは、おそらく三途の川で、手術を受けた女性を妻とした男性たちにとり囲まれ、よくもおれたちをだましたな、と袋だたきにあうのではないか、と心配しているしだいです」
このユーモラスな紹介に満場からドッと笑いが巻き起こりましたが、私としては、このことには、単なるユーモアとして聞きすごすことのできない、重大な内容が含まれていると思いましたので、さっそく私もユーモラスな調子の中にひと言、反発の辞を述べざるを得なかったのです。
「ただいま、司会者から、三途の川で袋だたきにあうのではなかろうかと、ご心配いただきましたが、私自身は、さようなことは、いささかも心配しておりません。三途の川では、彼女たちの夫がおおぜい出迎えてくれ、こんなことを言ってくれるのではないかと思っています。
―松窪先生、シャバではたいへんお世話さまになりました。私は死ぬまで、自分の妻が先生から処女膜の手術を受けたことを知らず、純潔な処女と結婚したとばかり信じきっていました。
そのために、楽しく平和で幸福な家庭を持って、生涯を過ごすことができましたことを、私は先生に感謝申し上げたい気持ちでいっぱいでございます。
私たちは、妻にだまされたがゆえに、妻を心から愛することができました。もし、妻が処女ではないことを知ったら、私たちは、あのように平和な結婚生活を送ることができたかどうか、疑問だったと思います。
私たちを、みごとにだましてくださった先生は、私たちの大恩人でございます―
このように男たちは、私をとり囲んで、口々にお礼を言うでありましょう。いや、謝恩パーティーでも開いてくれるのではないかと思っています。袋だたきだととは、とんでもないことでございます」
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この言葉は、松窪先生にとってはまったく冗談で言っているわけではなく、1万人以上の女性たちを救ってきたという信念が込められています。
彼はまだ医学生だったころに親戚の女性からフィアンセに裏切られて処女を失ってしまったという手紙をもらいました。どう返信していいかがわからないうちに彼女は自殺をしたそうです。
それが彼の医者としてのスタートになりました。
手術によってたくさんの女性を救ってきたという自負があるものの、手記の中にもあるのですが、処女・非処女などというものが、問題にならないような社会になることが一番望ましいと考えられていたようです。
嘘を突き通すことが、必要なときもあるという信念から他の医療関係者からのバッシングに合いながらも信念を貫く姿勢は見習うべきかもしれません。
ただ、僕の場合は嘘そのものを否定していて、創造主が自分である以上は、嘘をつくことはあまり意味のない行為だという考えです。
松窪先生は、たいへん仲のいい母親と子供がいて、母親が死ぬ間際に息子に対して本当の父親は、別にいるという話を息子にしたというエピソードを持ち出していました。息子にとっては、黙っていて欲しかったといえるものかもしれませんし、誰も得する話でもなく、単なる母親のエゴでしかないのかも知れません。
しかし僕から言わせれば浮気相手の子供を身ごもったときに正直に話すべきだったと思います。
そうしていれば何十年も苦しむ必要もなく、死ぬ間際になって最愛の息子にショックを与えることもなかったはずなのです。
暴漢に襲われて処女を奪われたために再生手術を希望する女性も多かったようで、そんな女性に対しても全てをカミングアウトするべきだとは簡単には言えないですし、そういったことを乗り越えて幸せを手に入れるために手術を決断する勇気も評価しなければいけないと思います。
嘘を突き通すということが、どれほど自分にとって負担になるのか。
その負担を背負っても得られる幸せがあるのか。
今のところ僕にはわかりません。
嘘を貫き通すということの是非は、他人が決めることではないというのが、答えなのかも知れません。
ダイエットのためにカロリーの低い鶏ムネ肉のハムを作るのが最近のマイブームです。
余った皮を捨てるのが勿体無いので、たっぷりの油でカリッと炒めてみました!
意味無いじゃん!というつっこみは無しでお願いします。
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