3日目。
夕方から1時間のコンサルティングと3時間の懇親会をしました。
どちらもマンツーマンです。
北海道のときもそうでしたが、初対面の男性といきなり3時間も何を話すんだろうと自分ながら感心しています。
ということで、この日はこんな朝食からスタートです。
スタンドみたいなところで朝食券を渡すと有無を言わさずお盆にのせてくれました。
サラダもたくさんで、あたたかなシチューがおいしかったのですが、小さな紙コップにはいったリンゴジュースのようなものが、検尿を連想してしまったので、マジックでジュースとか書いておいてくれたらと思います。
コンサルティングは、1時間です。
午後6時から懇親会があったので、午後4時半にカフェ前で待ち合わせしました。
時間ちょうどに優しさが溢れ出た笑顔の男性が現れました。
40代半ばの独身男性で、清潔感があり、普通にもてるんだろうなという印象でした。
自営業をされているようで、時間は自由になるということでしたが、性感マッサージ師になりたいというよりも、前田貴久とはどんな人間なのかなということに興味をもたれたのかも知れません。
矢継ぎ早の質問に対して返事をしているとあっという間に1時間が経過しました。
本業でも人と接する機会が多く、相手の気持ちを察する能力にたけているようなので、彼のような人がタクティリストとなってくれたらいいなと思いました。
「今日からブログを始めて、あきらめずに楽しみながらコツコツとやってください」
コンサルティングをしたときは、いつもこの言葉で締めくくります。
彼の話で一番おどろいたのは、一度大阪に来たときに谷町9丁目の待ち合わせ場所からいつも利用しているホテルまで歩いてみたということです。
ホテルまでの時間に何を話すのか、いろいろ想像していたのかも知れません。
彼とは店の前で別れ、次の懇親会場を目指しました。
産地直送の材料を使用していることが売りの居酒屋さんです。
写真は陶板焼き用のプレートです。
開始時刻の10分ほど前に到着し、個室をきょろきょろと見回していると時間ちょうどに男性が現れました。
若く見えたのですが、彼も40代前半で独身だということです。
もともと大阪にいたこともあり、谷町9丁目は馴染みがあるということでした。
数年前から岡山に住みだし、今は常勤の介護の仕事のかたわら、マッサージ業もされているということでした。
「精神的につらい」
乾杯のあとに話をしだすと彼がつぶやくように言いました。
介護の仕事は大変な印象があるので、その大変さに精神状態がまいっているのかなと思って聞いているとまったく予想外の答えが聞けました。
「介護の仕事は強制すること」
自分で排泄できなくなった人のおむつを交換することもそのひとつで、職員にしてみれば相手のためにしていることが、本人の意志に反してでも無理やりすることがあるということだそうです。
本人が希望しないのであればずっと交換しないままにしておけばいい。
などと簡単に片付けられる問題でないことに対して、彼の気持ちが揺れているようでした。
勤め始めたころは、なんと楽な仕事なんだろうとうれしくて仕方がなかったそうですが、数年前から考え方が変わってきたそうです。
僕に限らず誰しも人の世話にならず、なるべく迷惑をかけずに死んでいきたいという気持ちがあると思います。
しかし、今の日本の社会構造では、そういった希望が叶えられることは不可能に近いような気がします。
自分で自分のことが出来なくなって生きているのは、人間とペットぐらいかも知れません。
競走馬は走れなくなったら殺されてしまうのです。(あまり関係ないですが……)
介護社会や介護をされている方を否定しているわけではないということだけは、断っておきます。
出来ればこの彼のように疑問を抱きながら続けているという現状がなくなるようなシステムがあればいいと思います。
そんなことを話していると、彼から自分のことは自分でするということを大切にしている施設があるという話を聞きました。
家に帰ったらその施設の情報を送ってくださいと頼むとすぐに送ってくださいました。
山口県にある介護施設で、生きるためのリハビリをするということがコンセプトのようです。
興味のあるかたは、ご確認ください。 >>夢のみずうみ村
性感マッサージの話よりも生き方についての話をした時間のほうが長かったかも知れません。
どちらかというと僕が興味のあることを聞いていたような気がします。
3時間もどうなることだろうと思っていたら、途中から日本酒を飲むペースが速くなり、気づいたら締めの雑炊だけとなっていました。
ちなみに彼は車で来たということで、一滴もお酒を飲みませんでした。
彼の分まで頑張りました~。
店を出て、握手を交わし、懇親会が無事終了しました。
今日の二人とまた違った形でお会いできればと思います。
ありがとうございました。
おまけ。
浴びるほど飲んでしまった日本酒のせいで、満腹なはずなのにまたまた暴食をしでかしました。
ミスタードーナツ たしか5個ぐらい。
吉野家の牛丼。数日後に値上がりするということを思い出したので、つい。
大丈夫なのか? とも考える思考能力もなく、いっきに食べました。
牛丼サイコ~~。
300字小説 第230回
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『告白』
「離婚した原因はいろいろあるし、嫁さんからしたら追い出したと思っているはずや。実際追い出されたのは間違いないから。
でも、本当のところは、自分が仕向けたのかも知れん。話せば長くなるから言わんけど、離婚してもホストの仕事をやりたかったんや。
女好きで最初は下心から始めたんやけど、そのうち女性から感謝されているということがわかってきたんや。旦那から女性扱いされていない主婦から特にな。
皮肉なことに話を聞いていると自分の嫁さんと同じような状況の人ばっかりやった。
仕事として女性と接するようになって初めて、自分の妻の苦悩を理解することが出来るようになったんや。
その時にはもう修復不可能な状況になっていたけどな」
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