最近、というかずっとですが、競馬をやってかなりの敗北感を味わっています。
負けが続くと軽いうつ状態のような感じになって、何もやる気が起きなくなるのです。
こんなことが続くとそのうち病気になることでしょう。
まあそうならないように勝つ体質になろうと日夜格闘しているわけですが、今日の記事は僕の寂しい競馬論を語るのではなく、夫婦間においての女性の気持ちについて語ろうと思います。
これまで夫からひとりの女性として見られなくなったり、浮気をされたり、更年期が近づく、あるいは更年期真っ最中という人が抱く感情として、「喪失感」や「焦燥感」などといったものを挙げてきたのですが、「敗北感」という言葉も加えるべきかも知れないと思うようになりました。
夫に対してそれほど愛情が無いにも関わらず浮気を発見すると心が動揺してしまうのは、裏切られたという気持ちからくる不信感や嫉妬などがあると思うのですが、そういった具体的な感情よりも敗北感というもっと根本的な気持ちに包まれているような気がするのです。
夫婦生活が戦いの場であるということではないのですが、相手の行動によって抱く感情というのは何かに負けて惨めな気持ちになる敗北感と似ています。
夫婦生活というゲームをしていると仮定して考えると夫の不義というのは突然ルール違反をして自分の都合のいいように駒を進めている状態であって、それに対して何故か妻のほうが敗北感を味わっているといった感じです。
ここでいう夫婦生活ゲームのルールというのは、その夫婦間だけに存在するオリジナルなものなのでこれが基本的なルールですと言えるものはありません。
公然と浮気をする夫であっても、尊敬に値する人物であって妻が幸せだと感じることが出来るのであればそれはその夫婦間のルールをきちんと遵守しているのでしょう。
僕が競馬で負けたときに抱く敗北感は、自分自身に対して負けたという気持ちになるのです。
いつまでたっても学習できない頭の悪さや勝負どころだというのに大きく賭けることができないという度胸の無さなどに対して、ふがいなく感じるわけです。
ギャンブルと夫婦問題を一緒にすることはできませんが、敗北感を感じるかどうかは自分自身が目の前の現実に対してどういった感情を抱くのかということに尽きると思います。
相手がルール違反を犯しているということに腹を立てるよりもルール自体を変更してゲームを楽しむという事が出来れば敗北感などは存在しません。
怒ったり、落ち込んだり、イライラしたり、悲しんだりする感情が起きるのは人間であれば仕方が無いことなので、そういう時は我慢せずにその感情に浸ればいいと思います。
ただし、落ち着いたときに自分の感情が揺れ動いた原因を調べてみることも必要です。
ゲームに負けた原因。
それはほとんど自分の中にあるルールが関係しているはずです。
300字小説 第224回
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『皺』
「零ちゃん、若い子を困らせちゃだめよ」キツネ色に焼けたにんにくの上に分厚いステーキを乗せながらおかあさんが言った。
僕は意味がよくわからずおかあさんの顔を見た。
「零ちゃんはね、気にいった新人さんが来るといつもここに連れて来るの。そして同じ質問に同じ答えを返すのが楽しいみたい。安心していいよ。零ちゃん以上の女好きは他に見たことがないから」その時、横にいる零次さんの目尻の笑い皺が増えたような気がした。
その後、二時間ほどかけてワインと肉を堪能した。零次さんはその間、僕の学生生活や生い立ちなどについて興味深そうに聴いていた。
自分のことを話すことが苦手だったが、零次さんには不思議と素直に話すことができた。
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