サロゲートパートナー

夫婦問題や性についての悩みをサロゲートパートナー(代理恋人)が解決いたします。

2014年04月

フリーターの語源は、フリーのアルバイターっていうことらしいです。

フリーターといわれる人たちが、アルバイトで生活している人だということは知っていたのですが、改めてフリーターのターの部分はなに?って考えて調べてみたら、ドイツ語で労働者を表すアルバイターのターでした。

僕はいつも自由に生きたいと思っています。そのお陰かどうかは判りませんが、何かに捉われることがほとんどない状態で毎日を過してます。

一種のフリーターなのかな。

と、思って改めて、語源を調べてみたわけです。

その結果、僕はアルバイトをしている訳ではないので、フリーターとは言えないという結論に達しました。

では、僕みたいなのを何ていうのだろう……・。

そこで思いついたのが、フリーパーです。

自由人。

フリー パーソンの略です。

英語では、free spirit などとも言います。

自由な魂。

なんかいい感じです。

フリーパーでなく、フリスピでもいいのですが、後者は流行菓子のようなので、フリーパーにしておきます。

何も考えていなさそうで、ぴったりかなと。

このブログでは、タクティリストという肩書きを使っていますが、新たに作るブログはフリーパーにしようっと!

フリーパーM。

ということで、よろしくお願いします。

300字小説 第177回
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『重荷』

夜は夫婦の間に沈黙が続き、出勤間際になると正美の愚痴が始まる。一日の始まりから重たいものを背負って出かけるようになっていた。

優が生まれてすぐに博史はピンサロで働くみほという女に入れ込み、二週間に一度は平日の昼間の自由になる時間を利用して一年ほど通っていたが、店を出るたびに自分に嫌気がさしてくるようになっていた。

みほとはいい常連客という関係のまま自然消滅した。

会社は建売住宅の販売業績が下がる一方で、営業社員は博史一人になっていた。監督も大山だけになり、事務員も設計士も全て切り捨てられていた。

販売は大手の仲介会社に委託するようになり、博史は引き渡した客からのクレームや要望などの処理係をやっている。


300字小説 第178回
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『クレーム処理』

今日もクレーム対応の為に大山と客の家に向かっている。昨日の雨が降った時に雨漏れがしたということだった。雨漏れだけでなく壁紙のひび割れや外壁材の剥がれ、雨樋の詰まりから水周りの水漏れなど、何かしらのクレームが毎週一件はかかさず入ってきた。

客の苦い顔と対面することが、博史の仕事だ。そんな中でも対応がよかったということで喜んでくれる客が存在することでかろうじてモチベーションを保っていた。

二人の子供と妻を養うための土下座ならいくらでもしてやろうという気持ちが定着していた。

常に何かを抱え、何かからひっぱられながら一日が終わっていく。家の中では、じっと身を潜めることが、翌日の仕事の為には必要なことだった。

300字小説 第179回
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『仲介業』

運転をする大山は寡黙だ。余計なことはほとんど話さない。社内で気を許していた唯一の社員の橋本は二年前に独立し、二十代の意気のいい営業を揃えた仲介会社を経営していた。

新築の家が売れにくくなっている時代では、リスクを抱えて事業を展開するよりも在庫を抱えない仲介業が生き残っていくのは必然だともいえる。

業績が好調な会社の物件を販売させてもらうことが出来れば、これほど楽でおいしい仕事はない。そういった会社の社長と仲良くなるのは橋本にとっては赤子の手をひねるより簡単なことだろう。

仲介業は橋本にとって天職だといえる。

橋本とは対照的に宮田は設計費用がかかるとして客から金を騙し取っていたことが判明し、首になった。


300字小説 第180回
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『AMラジオ』

カーラジオからはAM放送が流れていた。三十年以上も続いている長寿番組でパーソナリティは七十歳を過ぎても明朗快活な口調で気になったニュースを女性アシスタントとドラマ仕立てで紹介していた。

今回は、経営難に陥った零細企業の社長が、社員の給料やボーナスを強引にカットした為、社員の一人が会社の金を横領したという話だった。

「宮田みたいやな」

大山がぽつりと漏らした。

宮田は尼崎の客を担当していたが、トラブルにより決済直前に担当を外され見込んでいた報酬を貰うことが出来なかった時からかなり厳しい経済状況にあったようだった。

それでも「今月は決済が二件あるんですわ~」と喜んで、博史に安酒を振舞ってくれたこともあった。

以前、主導権を握ろう!といったタイトルで書いたような気がするのですが、確認するのが邪魔臭いのでそこのところはおいて置きます。

今回の記事はそれの補足的なものとして位置づけてもらってもいいと思います。

昔から女性は受身だと言われます。

肉体の構造を考えてみても受け入れるようになっていますので、受身になるのは当然のことかも知れません。

僕に施術を依頼される理由の代表的なものが、夫の浮気とセックスレスです。

既婚女性が、一大決心をする際の九割はこの二つのうちどちらかか、両方が原因だと思います。

清水の舞台から飛び降りるほどの決心をして、施術を受けたとしても夫との関係が良好になることはありません。

この仕事を始めたころは施術を受けることによって、気持ちに余裕が持てるようになるから、それを利用して夫との関係を修復してもらいたいと考えていました。

でもそれは一種の幻想であって、夫自身が変わろうと思わない限り、夫婦関係は変わらないということをこの二年間で学びました。

セックスレスというのは、当たり前のことですが、妻も夫もセックスをしないということです。

どちらも同じ状況にあるわけですが、セックスレスで悩む男女の比率はイーブンでは無いはずです。

たぶん圧倒的に女性のほうが悩んでいると思います。

妻に拒否されて、このまま死ぬまで男性としての機能を果たさずに終わってしまうのか……。

なんて考えて憔悴する男は、それほど多くないでしょう。

たぶんそれはその気になれば風俗を利用して自分が男だということを確認することが出来ますし、オナニーで十分満足できるせいかも知れません。

受動と能動というタイトルを書きましたが、セックスレスや浮気といった問題が夫婦間で起きたときは、ほとんどの夫婦は妻が受動的な立場で夫が能動的な立場になるのです。

言葉の選択が間違っているかも知れませんが、夫は前向きで妻は後ろ向きなのです。

それは男のような考え方になったほうがいいと言っているわけではなくて、今の日本の社会においてはどうしても女性の方が割に合わない状況に追い込まれているということが言いたいのです。

なんとか新婚時のような関係に戻りたい、戻すための努力をしたいと考えているのは女性ばかりで、男の関心はすでに妻には無いようです。

そういった悩みを抱える依頼者の方には、とにかく自分自身が楽しむようにしてくださいと言います。

能動的に生きることが正しいとも思いませんが、もし夫の言動に振り回されているような状況ならまずはそこから脱出することをお勧めします。

常に自分中心で。

自己中で。

自分が幸せにならなければ、回りを幸せには出来ないはずです。

受動と能動のバランスを適度に保ちながら、楽しい時間をお過ごしください。

300字小説 第172回
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『場内アナウンス』

「なんかお兄さんに話してるとこっちが楽しくなるわ。聞き方がうまいんやろね」

女の話はとても楽しいとは言えなかった。夫に偽ってまでも生活費を稼がなければいけない事情があるにも関わらず、愚痴を一切こぼさない。自分の人生を素直に受け入れているという印象が博史の心を揺さぶった。

話が盛り上がった頃、終了間近を告げる場内アナウンスが鳴っていたようだが、博史の耳には届いていなかった。

「お兄さん。そろそろ時間やわ」

みほという女は残念そうな表情をし、楽しかったことを博史に告げた。かけていたハンガーから上着をとり、そのまま広げて博史に袖を通すように言った。

「お父さん。頑張って!」

女は博史の背中をポンと両手で叩いた。

300字小説 第173回
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『アリバイ作り』

博史は駐車場に戻り、これから帰るというメールを正美に入れてから三十分ほど車の中で時間をつぶしていた。尼崎から帰ることになっているためのアリバイ作りだ。

コインパーキングの料金を精算する機械の前には踏み切りの遮断機のようなものがあった。清算を終え、遮断機が上がり、道路に車を出したときに正美に優しくしようという想いが湧いてきた。

背徳感の反動なのかも知れない。それならそれでいいと博史は思った。博史の頭の中には正美に対する思いやりの気持ちと日々の生活の中にみほという女が登場したことに対する高揚感が混在していた。

正美に優しく接するためには、自分しか知らない時間が必要だと考えるようになったのはこの時だった。

300字小説 第174回
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『寝返り』

玄関を開け、つぶやくように帰宅したことを告げると奥から優を抱きかかえながらうれしそうな笑顔の正美が小走りでやってきた。

「お疲れさま。今日、優がつかまり立ちしてんで!」

昨日まで想像もしなかった正美の笑顔を博史は直視できなくて、優の顔を覗いた。

「すごいな~。もう大人やな~~」

とっさに思いついた言葉を投げかけた。

「なんで大人やのん。変なこというおとうちゃんやね~」

優の頬に自分の頬を摺り寄せながら正美は言った。正美の顔が近づいたために博史は一瞬戸惑ったが、そのまま正美の頬にキスをした。

「なにするん? 気持ち悪いな~」

「いや、久しぶりに正美が笑ってたからうれしくなって」

うしろめたさを消す為のキスだった。

300字小説 第175回
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『オアシス』

その日、正美と数ヶ月ぶりにセックスをした。優が生まれてから義務としてのセックスしかしていなかったが、この日は違っていた。

やっかいな仕事の問題が片付いたこととみほという女の存在、久しぶりに見た妻の笑顔が博史の心を見えない呪縛から解放させたせいなのかも知れない。

正美にも博史の感情が伝わったのか、これまで見たことのない表情をしながら博史の下で絶頂を迎えていた。

博史もそれに合わせて果てた。正美の首元にぐったりと顔をうずめると口元に鎖骨があたった。痩せた正美の鎖骨のくぼみが一瞬砂漠のオアシスに感じられた。

この瞬間を大切にしよう。夫婦関係が維持できるのなら自分勝手なルールも必要かも知れないと博史は思った。

300字小説 第176回
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『長女綾香』

四年後、長女の綾香が生まれた。正美のイライラは優のときよりも博史を悩ませていた。手伝うことがあれば何でも言えばいいと口癖のように言っていたが、正美にはそれが許せないようだ。

自分の妻が大変そうなら言われなくても進んで手伝うのが常識だと正美は思っている。自分が頼んでやってもらっても少しもうれしくないということだ。

仕事から疲れて帰り、ソファでくつろぐ博史の姿を見ると形相が変わり、そそくさと洗濯モノを取り入れる。博史には家の中でくつろぐ場所はなかった。

それは正美も同じかもしれない。会話が成立しない人間と一日中向き合っていることほどストレスが溜まることはないようだ。

気が狂いそうになると博史に訴えていた。
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90歳を超えた人の90%がもっと冒険をしておけばよかったというアメリカの調査結果があります。

冒険といっても、インディージョーンズのようなものからSTAP細胞を発見するようなものまで様々でしょう。

僕は自分が冒険をしているとは考えていませんが、もし90歳になってやり直せるとしたらどうしたいと質問されたらそんな質問をされないような人生を送りたいと答えるかも知れません。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、僕は今小説を書きたいと思って学校に通っています。

卒業した人が直木賞を受賞したことが原因で、どかっと入学する人が増えて、クラスの人数が一挙に倍になりました。

先日、その新しいクラスで自己紹介があったのですが、二十代から七十代までの人々が入学した動機についてそれぞれの思いを語っていました。それらの自己紹介をまとめただけでも一つの本になるのではないかと思えるほどの力がありました。

人に自慢をするために文字として残そうというのではなく、自分が生きてきた証として活字にしたいと思うのかもしれません。

今更ですが、活字の「活」とはいかすという意味です。

文字を生かすこと。

小説まがいなものを今、このブログで少しずつ書いていますが、とても生きた文字を書いているとは思えません。

ただ、たまに脈をうっていることを感じるときがあります。

文脈とはよく言ったものだと思います。

今書いているタクティリスという小説は、まだ予定の半分も書けていませんが、少しずつですが形が出来上がり血管が張りめぐらされていけばいいなと思っています。

小説の主人公は女性ですが、たぶん正美という女性を通して僕自身を語っているのだと思います。

もし興味があればお読みください。

下に書いているのは、正美編の次の博史編です。(博史編は第101回~200回までの予定です)
小説がブログを追い越してしまったので、一つの記事に対して3つずつ掲載することにします。

300字小説 第169
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『ベビードール』

「仕事帰り?」

博史の左に座ると女は挨拶もせず、いきなり質問してきた。ピンクのベビードールから透けて見える黒で縁取られた赤い下着が視界に入ってきた。

「仕事が終わって家に帰る途中なんです」

「今まで仕事だったんだね。遅くまで大変だ~」

「おねえさんこそ、これからまだ仕事なんでしょ?」

「みほっていうの。名刺渡してもよかったかな」

女はプラスチックのカゴの中から名刺入れを取り出し、博史に一枚渡した。カゴの中にはウェットティッシュや袋詰めされたおしぼり、透明な液体の入ったスプレーが入っていた。殺菌のために使うものかも知れない。

「いつもは昼間働いてて、今日は女の子がいないから延長してるだけ。お兄さんで最後かな」

300字小説 第170回
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『普通』

「何時から働いているの?」

「十時出勤。もう十二時間も働いてるよ~」

女は疲れた表情もせず屈託のない笑顔で答えた。

「結婚しているの?」

博史は女が入ってきたときから聞いてみたかった質問をした。

「子供もいてるよ。今は旦那が看てる」

「旦那さん、公認なの?」

「まさか~。残業になったって言ってるよ。保育所に迎えに行ってもらってそのまま家で世話してるはずやけど……」

「じゃあ昼間は普通の仕事してるって言ってるんだ」

博史は普通という言葉を言ったあとに少し後悔した。

「普通の事務員してるって言ってる」

みほという女のさっぱりした性格に好感を覚えた博史は、どんどん彼女に興味を引かれ、このまま時間まで話したいと感じていた。

300字小説 第171回
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『私生活』

「話ばかりしてると時間が無くなるから、そろそろ始めよか」

女は、この日最後の仕事を終わらせようとしていた。

「今日は話だけでええよ」

博史の言葉に女は一瞬顔が曇ったが、すぐに笑顔になり素直に従った。

「お兄さんは、結婚してるん?」

「去年結婚して、ちょっと前に子供が生まれてん」

「じゃあ奥さん大変やんか。早く帰ったらんと」

「そうやねんけど……。何となく帰りたくなくて……」

「まあそういう時もあるよ。私もこうやって残業してるんはしんどいけど、たまに子供と向き合わんでいい時間があるときにホッとするねん。子供のことは大好きやのになんでやろ」

女はこの後、働いている理由や夫、義理の両親、ママ友などのことを話し出した。
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結局、言葉というのはそれほど大きな意味を持っていないんだなというのをアメリカのオーディション番組を観てしみじみと感じました。

英語がまったく出来ない僕が字幕がない動画を観ていても心が揺さぶられます。

話は全然変わりますが、離婚直前、最後は同じ場所にいるだけでいたたまらない気持ちになっていたことを思い出しました。

会話などほとんどない状況です。

そこにいて欲しくないというエネルギーが彼女からひしひしと伝わってくるのです。

相手に自分の気持ちを伝えたいと思うのであれば言葉に頼るのではなく自分に対して自分の思いを訴えるべきなのかも知れません。

子供に対していくら口やかましく言っても言うことを聞かないのは言葉に頼りすぎていて、本来の想いがどこかに置き去りにされているような気がします。

久しぶりの記事でまたも脈絡がめちゃくちゃですが、僕の想いだけは伝わればいいです。

文字だけのブログでも十分に伝わると信じていますから。




300字小説 第168
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『みほ』

「この子とこの子とこの子ならすぐに案内できますよ」

男は三枚の写真を順番に指差しながら博史に説明した。三人とも初めて体験した肉の塊の女とは違いごく普通の容姿だった。最終的に自分と年が近いみほという女を選んだ。

店内は薄暗かったが、歩くことに支障はなかった。各席は立って覗けるぐらいの高さのカーテンで区切られていて博史は店の一番奥の席に案内された。飲み物をオーダーするように言われウーロン茶を頼んだ。

男がウーロン茶を持ってきて五分ほどすると、みほという女がやってきた。写真で観たときの印象よりもずっと若くて魅力的な女だった。

女は、博史に上着を脱ぐように促し、手際よくハンガーにかけ、壁のフックにぶら下げた。
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ヤフーニュースの関連記事が増えていてすみません……。

けっして、ネタに苦労しているという訳ではありませんので……。

今日のヤフーニュースで、以前体罰が問題となった駅伝の監督の高校教師が別の学校で採用されたそうで、それと同時に前の教え子が8人も監督と同じ高校に転入したということを知りました。

8人……。

この8という数字は何を表しているのでしょう。

当然、高校生なので自分がいくらその監督のことが好きだと言っても親の協力が無ければ転校する事など出来るはずがないわけで、この監督は親からも慕われていたと推測されます。

以前、このブログで紹介しただめだめ中学の陸上部を日本一にした先生の本を紹介しました。

その本を書いた先生は、地域や保護者の協力をとても大事にしていて、たぶんこの体罰監督も親子がひとつになって駅伝のタイトルを目指そうとしていたのだと勝手に推測しています。

体罰が問題視された事情はわかりません。

ただ、体罰に関わらず、今の日本の社会では少数の意見を大切にする余りに大切なものが失われているような傾向があります。

個人的な意見で申し訳ありませんが(いつも個人的ですが…)、原付に乗るときのヘルメットやシートベルト、チャイルドシートなど、はっきり言って大きなお世話だと思ってしまうのです。

体罰についてもその監督のもとで陸上を頑張るのであればその監督に任せればいいと思います。

極端な話、それが原因で子供が死んだとしてもです。

その監督が無理やり誘拐して殺したということであれば話が違ってきますが……。

今回、言いたいことは自分の想像と違っている世界を発見したのであれば、自分が身を引けばいいのであってそれを否定する権利など無いと思ったほうが楽に生きられるということです。

僕は、体罰が必要だと思っている訳ではなくて、その狭いコミュニティーの中で必要だと思っている人たちが寄り添っているのであれば、それはそれで成立するわけですからそれでいいのだと考えています。

体罰を問題視する保護者は、マゾの男がSMクラブに行って、満足できなかったから女王様に対して不服を言っているようなものと同じだと思うわけです。

じゃあ体罰監督についていった8人の学生とその保護者は筋金入りのマゾなのか。

いやいや、今日はそんなことにスポットを当てている訳ではないことだけは理解してくださいね。

300字小説 第167
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『パネル写真』

ビルの壁には所狭しと店の看板が並んでいた。キャバレー、ピンサロ、ファッションヘルス、マッサージの店のようなものまであった。

正美が待っているために長い時間はとれない。最終的に三十分七千円のピンサロを選んだ。とにかくどこでもよかった。博史が自らの意志で行動できたという証が欲しかったのだ。

地下にあるその店の前には歯の出た痩せぎすの男が立っていた。

「社長! いい子、入ってますよ。写真だけでも見て行って下さい!」

男は博史を見つけるといきなり声をかけてきた。

博史は誘われるまま店に入ると受付の小さな窓の横にパネルがかかっていた。そこには下着姿の女性がぎこちない笑顔で撮影された写真が二十枚ほど並べられていた。
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