フリーターの語源は、フリーのアルバイターっていうことらしいです。
フリーターといわれる人たちが、アルバイトで生活している人だということは知っていたのですが、改めてフリーターのターの部分はなに?って考えて調べてみたら、ドイツ語で労働者を表すアルバイターのターでした。
僕はいつも自由に生きたいと思っています。そのお陰かどうかは判りませんが、何かに捉われることがほとんどない状態で毎日を過してます。
一種のフリーターなのかな。
と、思って改めて、語源を調べてみたわけです。
その結果、僕はアルバイトをしている訳ではないので、フリーターとは言えないという結論に達しました。
では、僕みたいなのを何ていうのだろう……・。
そこで思いついたのが、フリーパーです。
自由人。
フリー パーソンの略です。
英語では、free spirit などとも言います。
自由な魂。
なんかいい感じです。
フリーパーでなく、フリスピでもいいのですが、後者は流行菓子のようなので、フリーパーにしておきます。
何も考えていなさそうで、ぴったりかなと。
このブログでは、タクティリストという肩書きを使っていますが、新たに作るブログはフリーパーにしようっと!
フリーパーM。
ということで、よろしくお願いします。
300字小説 第177回
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『重荷』
夜は夫婦の間に沈黙が続き、出勤間際になると正美の愚痴が始まる。一日の始まりから重たいものを背負って出かけるようになっていた。
優が生まれてすぐに博史はピンサロで働くみほという女に入れ込み、二週間に一度は平日の昼間の自由になる時間を利用して一年ほど通っていたが、店を出るたびに自分に嫌気がさしてくるようになっていた。
みほとはいい常連客という関係のまま自然消滅した。
会社は建売住宅の販売業績が下がる一方で、営業社員は博史一人になっていた。監督も大山だけになり、事務員も設計士も全て切り捨てられていた。
販売は大手の仲介会社に委託するようになり、博史は引き渡した客からのクレームや要望などの処理係をやっている。
300字小説 第178回
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『クレーム処理』
今日もクレーム対応の為に大山と客の家に向かっている。昨日の雨が降った時に雨漏れがしたということだった。雨漏れだけでなく壁紙のひび割れや外壁材の剥がれ、雨樋の詰まりから水周りの水漏れなど、何かしらのクレームが毎週一件はかかさず入ってきた。
客の苦い顔と対面することが、博史の仕事だ。そんな中でも対応がよかったということで喜んでくれる客が存在することでかろうじてモチベーションを保っていた。
二人の子供と妻を養うための土下座ならいくらでもしてやろうという気持ちが定着していた。
常に何かを抱え、何かからひっぱられながら一日が終わっていく。家の中では、じっと身を潜めることが、翌日の仕事の為には必要なことだった。
300字小説 第179回
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『仲介業』
運転をする大山は寡黙だ。余計なことはほとんど話さない。社内で気を許していた唯一の社員の橋本は二年前に独立し、二十代の意気のいい営業を揃えた仲介会社を経営していた。
新築の家が売れにくくなっている時代では、リスクを抱えて事業を展開するよりも在庫を抱えない仲介業が生き残っていくのは必然だともいえる。
業績が好調な会社の物件を販売させてもらうことが出来れば、これほど楽でおいしい仕事はない。そういった会社の社長と仲良くなるのは橋本にとっては赤子の手をひねるより簡単なことだろう。
仲介業は橋本にとって天職だといえる。
橋本とは対照的に宮田は設計費用がかかるとして客から金を騙し取っていたことが判明し、首になった。
300字小説 第180回
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『AMラジオ』
カーラジオからはAM放送が流れていた。三十年以上も続いている長寿番組でパーソナリティは七十歳を過ぎても明朗快活な口調で気になったニュースを女性アシスタントとドラマ仕立てで紹介していた。
今回は、経営難に陥った零細企業の社長が、社員の給料やボーナスを強引にカットした為、社員の一人が会社の金を横領したという話だった。
「宮田みたいやな」
大山がぽつりと漏らした。
宮田は尼崎の客を担当していたが、トラブルにより決済直前に担当を外され見込んでいた報酬を貰うことが出来なかった時からかなり厳しい経済状況にあったようだった。
それでも「今月は決済が二件あるんですわ~」と喜んで、博史に安酒を振舞ってくれたこともあった。