サロゲートパートナー

夫婦問題や性についての悩みをサロゲートパートナー(代理恋人)が解決いたします。

2014年02月

体を絞るためにたまに泳ぎに行ってます。

家から施設まで十五分ぐらいかけて歩いていくのですが、その途中に川があってその橋を渡ります。

橋は瓦屋橋といって東横堀川にかけられています。東横堀川は南北に流れているのですが、南にいくとそのまま道頓堀へとつながります。

橋の中ほどに布団が山積みされ、小さなちゃぶ台とカセットコンロが置かれています。

通る時間によっては足元を紐でしぼった布団にすっぽりと収まり、顔の部分も覆われて眠っているホームレスがいることもあります。たぶん女性です。

この日は施設が始業する午前9時頃に通ったのですが彼女はすでにいませんでした。

鳩がやたらと多いなと思ったら、プラスチックの容器に液体状のものが入っていて鳩が群がっていました。

バリの鶏は自分で餌を探して毎晩家に戻り住人のためにタマゴを生み、最後は食べられてしまうのですが、ふとそれを思い出し、日本の鳩との違いを感じました。

日本とバリの違いよりも鶏と鳩との違いかも知れませんが。

プールで1キロほど泳ぎまた来た道を戻りました。

橋の横には金網のフェンスが設けられていて、そこに十本ほどの傘がぶら下がっていました。

ほとんどが透明のビニール傘で、骨が折れていて曲がっているものや布の部分がだらしなくずり下がっているものなどがありましたが、等間隔で整然と並べられています。

雨の日はその中の一本を気分に合わせて選ぶのでしょうか。

そんなにたくさん必要ないと思える光景は、なぜか自分に投影されていました。

僕の中の傘。

たぶんホームレスの彼女と同じように最後まで使うことがないものを大事に抱え込んでいるような気がしたのです。

何かを捨てると必ずその隙間に新しいなにかが入ってきます。

季節はずれの大掃除が必要なのかも知れません。

300字小説 第157
=========================
『土下座』

翌日、博史は宮田から引き継いだ佐藤と会うべく朝からアポを取り付けてその夜に訪問することとなった。宮田は太田の判断に不服そうな態度を見せながら朝礼後にそそくさと尼崎の現場に向かった。フルコミッションの宮田にとって客に家を引き渡して、会社に残代金を入金するという業務を完了しないということは見込んでいた報酬が無くなってしまうことになるからだ。

博史はいつものように堺市内の現場に朝から行って待機していた。監督の大山は現場の職人と打ち合わせをしていて事務所には橋本と二人だった。

「宮田さんはあの担当していた客に2回も土下座していたそうですよ。それも奥さんに!」橋本が携帯の画面を見ながらつぶやくように言った。
=========================

以前、プラトニック・アニマルという本を紹介したときに代々木監督の話を少ししました。

僕の十代から二十代の一番性に関して興味が湧く時代にピンク映画の監督をしていて、現在でも七十歳を超えているにもかかわらず現役でアダルトビデオを撮り続けていらっしゃいます。

久しぶりにブログに訪問し、気になった記事があったのでご紹介したいと思います。

代々木監督はAVという仕事を媒介として人間の性の本質的なものを追及されています。

その姿勢は、映像、とくに監督が出演する女性に対してのインタビューシーンに表れます。

僕は昔の作品から今の作品などを興味深く観ているのですが、それは自分が興奮したいからというよりも教材のような感覚で観ているといえます。

昔の映像では、女性が自我に固執する余り、セックスの本当の悦びを得られない状況においては、なかば怒るぐらいの気迫で女性と対峙していたのですが、今回の記事に代表されるように少しずつまるくなっているような気がします。

それがいいとか悪いとかではなく女性自身がとてももったいないことをしているように感じるのです。

僕に対して施術を依頼される方の中にもたまにいるのですが、自分の価値観を最後まで捨てきれない人は結果的に何も得るものがなく終わっています。

オーガズムを感じるだけでいいのであれば自分でしたほうが時間もお金も節約されるはずです。

監督のブログに「3つのオーガズム」という記事があります。オーガズムを大・中・小に分けて解説しているのですが、1000人以上撮影してきた中でも大のオーガズムを経験したことがある女性は10人ほどだそうです。

中のオーガズムの説明を見てもそれに該当する人は少数であって、ほとんどが小、もしくはオーガズムを体験したことがない人たちでしょう。

たぶんこの傾向は今後ますます増えるはずです。

10代から30代の独身男女の30%から40%が未経験だそうですから。

そういった男女が結婚したときのことを想像すらできません。

僕は夫婦生活においてセックスが全てではないと思っていますが、愛し愛されるセックスの悦びを得られる状況であるのなら是非体験して欲しいと思います。

それは年をとれば難しくなるということではありません。

監督のAVに出演する女性は40代の人も多くいて、初めて会った男優さんとのセックスで涙を流すぐらいの感動的なセックスを体験されることもあるようです。

今日の記事は、女性よりもむしろ男性に読んでいただきたいと思います。

女性が本気で悦んでいるときにその気持ちを共有することが出来れば必ず射精以上の快感を得ることができます。

若い人を求めて風俗や浮気などをするよりもよっぽどクリエイティブで安全な行為だと思います。

是非、お試しを!

300字小説 第156
=========================
『ギャップ』

「一日中優の面倒を見てたら息が詰まりそうになるねん……。少しでもいいからヒロちゃんの声を聞けたらと思って…。ごめん…」

博史は言い返す言葉が見つからなかった。

優は寝息も立てずに眠っている。冷蔵庫のブーンという音が響いた。

二人の沈黙が続いたが、博史が我慢できなくなり口を開いた。

「なるべく早く帰って来て優の面倒見るから、正美もなにか気分転換になるようなことをしたほうがいいかもな」

博史には正美の気持ちが理解できていなかった。

「ありがとう。ごはんの用意するわ」正美は諦めたように言いながら博史と視線を合わせずに立ち上がった。

博史は優のおだやかな寝顔を眺めながら、宮田から引き継いだ佐藤への対応を考えていた。
=========================

出産シーンがどうしてもかけずに、気づけば3ヶ月も放置していました。

そろそろ小説の提出期限も近づいてきたので、とりあえず出産シーンを後回しにして書き出すことにします。

このブログに初めて訪問された人はなんのことだかわからないでしょうね。

僕は女性専門の性感マッサージ師の経験からたくさんの女性が誰にも相談できない悩みを抱えているということを知り、その苦悩をより多くの人に知ってもらおうとブログ以外の媒体も利用しようと思っています。

そのひとつとして小説にすることにしました。

本を出版した経験もなければ小説のイロハもわからないので、今は小説の学校に通っています。

学校では生徒の作品を皆で評価するのですが、僕の作品はこのブログに掲載している300字小説をまとめ、それを推敲して提出しています。

正美編
博史編
アゲハ編
正美編
エピローグ

の5編で完結の予定です。

もし興味があればお読みください。



300字小説 第155
=========================
『注文』

「昼間はごめん。となりに会社の人がおったんでそっけなくしてしまったかも……」

「……」

「なんか用事があったんか?」

「……」

「……」

博史は最近の正美の態度に理解を示そうとする反面、苛立ちを感じていた。

「優の世話をするのが大変なんか?」博史が聞いた。

「……」

「だまってたらわからへんやろ。なんかあったんか?」

「別に何もない…」正美が口を開いた。

「最近の正美は少しおかしいと思うで」

正美が口を開いたことで、博史はこれまで溜まっていた考えをはっきり言うことにした。

「仕事中に電話をかけてきても対応できへん時があるのはわかるやろ。出れるときは出るけど、一回鳴らして出なかったら間を空けてかけ直すとか出来へんか?」
=========================

子供が小さいうちに離婚してから一生懸命に生きてきて、やっと子育てから開放され自分を見つめなおしたときに女としてもう終わってしまうのかという焦燥感のようなものが湧いてしまうことがあります。

そんな方がたまに見えられるのですが、どの人もまだまだこれから女性を謳歌して欲しい、するべきだと言えるほど魅力的な方ばかりです。

彼女たちが口を揃えていうことは、自分に魅力がないとか出会いがないということです。

以前、気持ちよくなる方法を数学的に公式にしようとしたのですが、その時に「隙」という要素を挙げました。

出会いは物理的にないということもありますが、それ以上に隙を作っていないのだと思います。

子育てに必死のときは、子供に全精力を費やしているわけですから隙など出来ないのも当たり前なのかも知れません。

とにかく予約をされる人は真面目な方が多いのです。

僕は車のハンドルと同じように遊びも必要だと思います。

やっていることは同じでも心の余裕があるのと無いのとでは、大きな違いが出ます。

陽が昇る前から起きて一日中動き回っている女性がいるのですが、彼女からはとても余裕が感じられるのです。

女性としての魅力もあり、たぶんその原因は誰かの為にやっているのではなく自分自身のためにやっているからだと思います。

彼女は人からの誘いがあっても、嫌われると嫌だから付き合うということはしません。

能動的に行動を起こしたいと思わないことはきっぱりと断ります。

それでも周りからとても大事にされているのです。

自分の理想の彼を作りたいと思うのであれば、逆説的になるかも知れませんが、彼に理想を求めないことが大切です。

彼に何かを求めることは依存していることになるからです。

依存している限りは、自分の幸せを他人に左右されることとなり、不安定な状況が続くことになります。

理想の彼を作る前にまず理想の自分像を作ることをお勧めします。

あと、引き寄せの法則というのがあるのですが、彼氏が欲しいと思っている限りは彼氏が欲しい状況がずっと続くこととなってしまって、結果的に彼氏が出来ないということになります。

彼氏が欲しい状況=彼氏がいない状況

ですから彼氏が欲しい人は、彼が出来たらこんなことをしているだろうなということをすればいいのです。

二人分のディナーを予約して、1人で食べるといったミステリーのようなことではなく一緒に旅行に行っていることを想像しながら旅行会社のパンフレットを眺めるのもいいでしょうし、彼の為に料理や編み物を練習するのもいいかも知れません。

いくつになってからでも遅くはありません。

トキメキがある間はいつまでも青春時代のはずですから。

300字小説 第154
=========================
『闇』

「ただいま」

博史は玄関を開けるといつもより大きな声で帰ったことを告げた。

正美は、わざわざ玄関先まで迎えに来ることもあったが、今日はおかえりの言葉も聞こえてこなかった。

人のいる気配は感じるのだが、なぜか重苦しく感じた。

リビングに入り、あたりを見回したが正美がいない。

隣接している和室は電気が消えていたが、じっくり覗くとそこに足を崩して座っている正美の後姿があった。

正美の前には優が寝ていた。

「ただいま」

博史は正美に声をかけた。

「おかえり……」

かすかに聞き取れる声で正美が返事をした。

博史は暗がりの中にいる正美の横に座って優の寝顔を見た。その時、小さな口をとがらせながら乳首をすっているような音をたてた。
=========================

さきほどヤフーのニュースで以下の記事を見ました。

精神科の薬を一度に大量に服薬した患者の搬送を受けた救急医療機関が、2012年は全国で少なくとも156病院に上り、うち約3割にあたる46病院は年間50件以上搬送されていることが、読売新聞の調査でわかった。

 服薬したのはいずれも医療機関でしか処方できない薬で、抗うつ薬、睡眠薬などの処方のあり方が問われそうだ。

 昨年11月、全国の救命救急センターと日本救急医学会の救急科専門医指定施設の計498病院にアンケートを送り、164病院から回答を得た(回収率33%)。大量服薬患者を年間100件以上受けている病院も10病院あり、最も多い病院では約500件と回答した。

僕も20代のときに精神病院から退院後、通院してもらったクスリを貯めておいて一度に飲んだ経験があります。

搬送されるような大事にはいたりませんでしたが、運ばれた人たちの気持ちは理解できます。

性感マッサージを依頼される人の中にはウツになったことがある人もいらっしゃいますし、現在も心療内科に通院している人もいます。

先日お会いしたかたも今年になって心療内科に行くようになったと話をしてくれました。

僕はクスリはなるべく飲まないほうがいいと思っています。

クスリは症状を抑えるだけであって、根本的な解決にはならないどころか逆に原因を温存させることに繋がると考えているからです。

彼女は医者から睡眠薬と安定剤をもらっているそうですが、眠れないのであれば眠らなければいいとアドバイスしました。

一生眠れずにいられるわけではないからです。

眠れないときは眠れないということに対して不安に思うのではなく、起きてその時間を楽しめばいいのです。

仕事に支障が出るかも知れませんが、一日眠い状態を我慢すればその夜はクスリがなくても眠れるかも知れません。

以前、紹介した精神科医のウィリアム・グラッサー博士はどうしてもクスリが必要なてんかんなどの病気以外は薬をまったく使わずに治療をしています。

彼の提唱する選択理論は、今の僕の考え方の基本となっているといっても過言ではありません。

病気はシグナルです。

車の中の警告ランプが点灯したときのことを考えてみてください。

クスリは点灯している箇所にテープをはって見えなくしているだけのものだということを理解して欲しいです。

自分の体に起きたことは、自分の体で治せるはずです。

精神的なストレスで精神が不安定になっているのであれば、その原因となっていることを無視して他の楽しいと思えることに集中してください。

相談をしてもらった彼女は子供は無く、夫との離婚を考えていらっしゃいます。煮え切らない夫の態度によって自分の存在がわからなくなっているということでした。

僕は他人の言動に左右されないようにすることと夫のせいだと思うことを止めるようにアドバイスしました。

帰って来てもほとんど会話も無く、休日は勝手に行き先も告げずに遊びに行くそうで、彼女はいつも取り残された状態になっているそうですが、それならその状況を楽しめばいいのです。

自分が楽しいと思えることをする時間が沢山出来たと考えれば済むはずです。

暗いところに視点をあてるのも明るいところに視点をあてるのもその人の選択次第だという内容のメールをあらためて送りました。

その翌日、彼女からクスリを飲まなくてもぐっすり眠れたというメールをいただきました。

一度に全てのクスリを止めることはできないかも知れませんが、クスリが病気を治すのではなく、自分が治すのだということだけは理解して欲しいと思います。

300字小説 第153
=========================
『窮屈』

その日もいつものように全員で会社を出ることとなった。

博史は、いつものように帰ることを知らせるメールを正美に送った。

結婚してから帰るときにはメールを送ることが秋山家の約束事になっている。

子供が生まれるまでは、メールを忘れてしまってもそれほど問題にならなかったが、子供が出来てからはメールに対する正美の反応が過敏になっていた。

メールを送り忘れて帰ってしまうと晩御飯の準備が出来ていないということで非難を受けたりもする。

また、会社から家までは車で一時間程度かかるのだが、十五分も遅れると寄り道していたのかという疑惑の言葉が正美から出るようになっていた。

博史は正美に対して気を遣いながら過すようになっていた。
=========================

↑このページのトップヘ