以前も紹介したと思うのですが、性感マッサージを依頼する人の動機がなぜか偏ります。
最近は、立て続けに彼の風俗通いを見つけてしまったという話を聞きました。
それプラス、近々結婚まで予定していたというのも共通していました。
彼への仕返しやあてつけ、気持ちの整理のためなどいろんな理由があると思いますが、そんな彼の行動を知って依頼をされるわけです。女性からすればとても大きな決断だと思います。
なぜこの時期にわざわざばれるような証拠を残すのか。
店のHPをブックマークにしていたり、もらった名刺やポイントカードを財布に入れていたり、アドレスを登録して店からのお知らせを受けていたりと、あまりにもガードが低すぎます。
結婚後に信頼していたパートナーの風俗通いを知ってしまうのと結婚直前に知るのとではどちらの方がダメージが大きいでしょうか。
よく、浮気はばれないようにしてくれるのであれば許せるという話を聞きますが、ばれていないものに許すも許さないもないわけです。
ごく稀に夫とのセックスが嫌で、外でしてきて欲しいという奥さんがいますが、それって仙人のような境地に達しているのかと考えてしまいます。
結婚には男女の恋愛感情は不要なのかも知れません。
そんな気持ちにさえなっている今日この頃です。
もしも夫婦とは永遠の愛を誓い合って死ぬまで添い遂げるものだという誓いを立てるのであれば、証拠だけは残さないようにしてください。
いや、それよりもやっぱり永遠の愛を貫き通せるようなパートナーに出会う確率は、年末ジャンボの1等を当てるよりも難しいと思います。
施術を受けられた彼女たちは、それぞれ自分なりの納め方を得たような顔をされていました。
そこには愛というものが存在しているのかどうかは定かではありませんが……。
300字小説 第145回
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『佐藤さん 4』
「その見積もりを前にして宮田さん、何て言うたか覚えていますか」
宮田は首をひねっていた。
「三十万ほどやからローンに組み込んだら月々千円ぐらいで済みますわ! っていいながら笑い出したんですよ。不動産屋さんには三十万円というのははした金かもしれませんが、僕らにしてみれば一万円でも必死で悩む額なんです」
「費用がかかるのならかかると先に言ってもらってたらそれで納得してました」
妻が子供に話しかけるように言った。
「そこでちゃんと謝ってもらっていたらローンに組み込んでもらって工事を進める考えもあったのに、こちらが文句を言ったら逆にサービスしてもらうように会社に交渉するって言って逃げるように帰って行きましたね」
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