サロゲートパートナー

夫婦問題や性についての悩みをサロゲートパートナー(代理恋人)が解決いたします。

2014年01月

以前も紹介したと思うのですが、性感マッサージを依頼する人の動機がなぜか偏ります。

最近は、立て続けに彼の風俗通いを見つけてしまったという話を聞きました。

それプラス、近々結婚まで予定していたというのも共通していました。

彼への仕返しやあてつけ、気持ちの整理のためなどいろんな理由があると思いますが、そんな彼の行動を知って依頼をされるわけです。女性からすればとても大きな決断だと思います。

なぜこの時期にわざわざばれるような証拠を残すのか。

店のHPをブックマークにしていたり、もらった名刺やポイントカードを財布に入れていたり、アドレスを登録して店からのお知らせを受けていたりと、あまりにもガードが低すぎます。

結婚後に信頼していたパートナーの風俗通いを知ってしまうのと結婚直前に知るのとではどちらの方がダメージが大きいでしょうか。

よく、浮気はばれないようにしてくれるのであれば許せるという話を聞きますが、ばれていないものに許すも許さないもないわけです。

ごく稀に夫とのセックスが嫌で、外でしてきて欲しいという奥さんがいますが、それって仙人のような境地に達しているのかと考えてしまいます。

結婚には男女の恋愛感情は不要なのかも知れません。

そんな気持ちにさえなっている今日この頃です。

もしも夫婦とは永遠の愛を誓い合って死ぬまで添い遂げるものだという誓いを立てるのであれば、証拠だけは残さないようにしてください。

いや、それよりもやっぱり永遠の愛を貫き通せるようなパートナーに出会う確率は、年末ジャンボの1等を当てるよりも難しいと思います。

施術を受けられた彼女たちは、それぞれ自分なりの納め方を得たような顔をされていました。

そこには愛というものが存在しているのかどうかは定かではありませんが……。

300字小説 第145
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『佐藤さん 4』

「その見積もりを前にして宮田さん、何て言うたか覚えていますか」

宮田は首をひねっていた。

「三十万ほどやからローンに組み込んだら月々千円ぐらいで済みますわ! っていいながら笑い出したんですよ。不動産屋さんには三十万円というのははした金かもしれませんが、僕らにしてみれば一万円でも必死で悩む額なんです」

「費用がかかるのならかかると先に言ってもらってたらそれで納得してました」

妻が子供に話しかけるように言った。

「そこでちゃんと謝ってもらっていたらローンに組み込んでもらって工事を進める考えもあったのに、こちらが文句を言ったら逆にサービスしてもらうように会社に交渉するって言って逃げるように帰って行きましたね」
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俺は、生温かい得体の知れないもので包まれていた。

自分がいくらもがいてもそれを意に介さず、常に受け入れてくれる環境にいた。

最初はまったく外部からの情報を受け入れるという態勢が整ってはいなかったが、時間が経過するにつれ自分自身が成長し、耳を傾けるようになった。

それでも自分にとって、不快なものは出来るだけ拒否し、心地のいいものだけを取り入れていた。

幸い、そんなわがままを貫き通しても生きていくだけの資源は毎日送られてくる。

心地のいい音楽を聴きながら、宇宙空間に浮かんでいるような状態を過すことが出来ていたのは奇跡だったのかも知れない。

こんな状態が永遠に続くことはありえないと思っていた。

俺の考えを証明するかのように、快楽の時間は突然終焉を迎える。

そろそろ死に近づいているのだろう。

俺の周りはいきなりざわつき始め、断末魔のような悲鳴が聞こえてくる。

それと同時に体全体が急激に圧迫されるようになってきた。

足元から押し出されるような締め付けが起こり始め、俺はどうすることも出来ない状態で一定の周期を保ちながら繰り返される圧迫感に奔騰(ほんろう)されていた。

殺すなら一気に殺してくれ。

俺の思いを無視するかのように、徐々に締め付けがきつくなってくる。

意識が徐々に遠のいてきた。

そろそろ死の世界へ旅立つようだ。

俺は、抵抗することが無駄だと悟り、そのまま身をまかせることにした。

死とは、今いる世界とはまったく違う世界へ旅立つことだという漠然とした考えは持っていたが、その新しい世界について考えることがなかった。

死を目前にした今、その道筋を体験できることに恐怖はいつのまにかなくなり、興味が湧いていた。

体を圧迫する力はどんどん大きくなり、ある瞬間から抜け道のようなものが頭上にあるような気がした。

自分の意志ではなく、周りをとりまく世界が、俺を天に昇らせようとしていた。

これまで生きてきた時間よりも長い時間をかけて天に昇っていたような気がしたが、実際は数分だったのかも知れない。

雲を抜けたような瞬間に、まばゆい光が俺を包み込んでいた。

これまで体験したことの無い世界だというのは間違いなさそうだ。

この死の世界で俺はこれから先どう過ごしていけばいいのだろうか。

これまで周りに助けられてきた俺にとって、死の世界は恐怖でしかない。

想像もできない恐怖のために泣くことしか出来なかった。

体全体から搾り出せるだけの大声で泣き叫んだ。

そこから俺の新しい人生が始まった。

久しぶりのブログ更新なのに変なSF小説のようなものになってしまいました。

最近、いろんな人と接してきて、あらためて生きていることについて考えるようになっていました。

いろんな人がいろんな悩みを持ちながら過しています。

僕にはその悩みを解決する力はありません。

解決するのは本人だけだと思っているからです。

今日の小説もどきでは、僕たちが考える「死」というものも、結局は胎内にいる赤ちゃんが思っていることと同じようなものではないかということを表現したいと思って書きました。

以前の記事でも書いたと思いますが、死ぬことで現状よりも楽になると思うのは、まったく独りよがりの考え方で、都合がよすぎると思います。

現実の世界で努力もしないで、死ぬだけで楽になるなんてありえません。

僕は精神病院に入院した時点で一度死んでいると思っています。

パラレルワールドといって、僕が死んだ世界と生きている世界が平行して進行しているような気がします。

死について、考えること自体がばかげていると思っていて、もし今死にたいような辛いことがあるのであれば死ぬことによって何が得られるのかを具体的に考えて欲しいと思います。

自分勝手な想像だけではなく、誰でも納得できるだけの結論を提示してください。

単純に逃げたいというのであれば死ななくても失踪すれば実現できます。

自殺をしないでください。

と、言っているわけではありません。

死にたい人は死ねばいいと思うのですが、死ぬことによってどうなるのかをもっと考えて欲しいと思います。

死後の世界について、誰も説明できないのですから自分が思うような内容でいいと思いますが、確信を持つべきです。

是非、死後について真剣に考えてみてください。

あと、死ぬ間際に悔いはなかったと思えるような人生をお過ごしください。

300字小説 第144
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『佐藤さん 3』

「壁紙のことやキッチン、風呂、棚板などの仕様変更とか追加工事についてもカタログだけ持ってきて好きなのを選んでくださいって言っただけで費用がかかるとか言わないでずっとほったらかしで、工事が始まりだしてから費用の明細を持ってきたじゃないですか。明細って言っても小学生でも書けるような適当なものでしたけどね」

「あんまり早くから決めても工事の段取りがありますんで直前にさせてもらったんですわ」

「それならそういう事情があるということでカタログなども直前にするべきと違うんですか!三ヵ月も後に持ってきたんでこっちとしては無料でやってもらえるものと思うでしょう!」

妻の膝にいる子供が佐藤のほうを心配そうに見上げた。
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先日、依頼者の方からもし僕が一夫多妻制の地域に生まれたらどうしてましたか? という質問を受けました。

彼女がどういった意図でそんな質問をされたのかはわからないのですが、僕なりに考えてみました。

一夫多妻制だとやっぱりどの奥さんも平等に接する必要があると思うから、どういったローテーションで接することがベストなんだろう? って考えたりもしたのですが、よくよく考えてみるとひとりの奥さんも満足させることが出来ずに離婚をした僕が複数の妻を持つこと自体おかしいと気づきました。

回答としては、僕には無理なのでひとりで十分です。と答えました。

このことについてしばらくたってから考えたのですが、一人で複数の奥さんや子供を養うことを普通にしている人たちってすごいなって思ったのです。

それと同時に、奥さん一人も養うことが出来ずに共働きをしなければいけない日本ってどうなんだろうって思いました。

GDPが世界3位(?)であっても、幸福度ランキングだとどうなってしまうのか。

そもそも一夫多妻制の地域の人たちは幸せになりたいとかいう気持ち自体を持っていないような気がします。

病気の人が健康になりたいということと同じで、幸せを欲するという時点で満たされていないということがわかります。

愛されたい、幸せになりたい、健康でありたい・・・・。

愛される方法、幸せになる方法、健康になる方法などが商売にならない社会が訪れることが理想なのかも知れませんね。

300字小説 第143
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『佐藤さん 2』

「ちょっと待ってください。来月引渡しやのに話が出来んかったら引き渡せませんがな」

「このまま平気で引き渡すつもりなんですか?」佐藤は宮田を睨んだ。

「平気でって。ちゃんと佐藤さんの言うことを聞いてやってきましたがな」

「宮田さんの言ったことでちゃんとしたことなんか何一つ無かったのと違いますか。引渡しは息子の小学校の冬休み中にしたいって言ったら十分間に合うから安心しろといいましたね。新しい家で正月が迎えられると思って家族全員が喜んでたのに、年が明けてもまだ確定した日時が決まってないやないですか!」

佐藤はまだまだ言い足りないようで、いったんお茶を口にした。隣で佐藤の妻が幼児を抱え、下を向いて座っている。
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小説を書こうと思います。

どうして小説を書きたいと思ったのかというと、女性専門の性感マッサージ師という仕事を始めたことによって、たくさんの女性が人に相談できない悩みを抱えながら生活を送っている事実と遭遇したためです。

そのことによって別れた元妻も同じような境遇だったと気が付きました。

たぶん世の中の男性のほとんどが、僕と同じように自分のパートナーが深刻な悩みを抱えているということを自覚していないと思います。

ブログなどでそういった事実を記事にしたりしていますが、もっと間口を広げて一人でも多くの人にそのことをお伝えしたいという気持ちから本気で小説を書こうと思ったのです。

始めたばかりでつっこみどころ満載の小説ではありますが、興味を持っていただいたかたは下のリンクよりご覧いただけますので、クリックしてみてください。

ただし、PDFファイルのためパソコンでしか読めないかも知れませんので、ご了承ください。

小説「タクティリス」は、五部構成(予定)になっています。

四部 正美編
五部 エピローグ

300字小説 第142
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『最後通告』

六帖ほどの部屋が二つと食器棚と冷蔵庫を置いていっぱいになるキッチンスペースがあった。トイレと風呂はちょうど食器棚の後ろにあるのだろう。

奥の部屋には主らしき男が座卓の向こう側に座っていた。

「佐藤さん、忙しいところすんません」宮田が頭を下げながら男に声をかけた。

男は右手を前に差し出しどうぞと声をかけて博史たちに座るよう促した。

二人が正座してからしばらく沈黙が続いた。

妻がお茶を座卓に置くと同時に主である佐藤が言った。

「宮田さん、今日で会うのも最後やと思ってください」

「それはどういう意味ですか?」宮田が言った。

「そのままですわ。もうあなたと話することなど無いということです」

佐藤は表情を変えずに言った。
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スローセックスという言葉を広められたアダム徳永さんによると、現代人のセックスは前戯10分、交接5分のジャンクフードならぬジャンクセックスと名づけられています。

ちなみにジャンクとは、屑とかがらくたの意味です。

前回の記事では子作りを目的としないセックスでは射精を禁止した方が良いのではないかということを書きました。

射精を最終目的にするセックスは、男性の性欲を満たすことを前提としたものであって、食欲を満たすだけのジャンクフードを食べることと同じです。

アダムさんがジャンクセックスと名づけるのも納得できます。

それなら、その反対を名づけるときにスローセックスという言葉よりももっとわかりやすく会席セックスにしたほうが、理にかなっていると思います。

ネーミングにセンスがあるとかないとかを別にして、一品一品視覚と味覚を満足させる会席料理のようなセックス。欲を満たすだけでなく味わうということを意識することが出来る名前だと思います。

そのうちにセンスのある人が名前を考え出してくれるかも知れませんし、スローセックスやタクティリスがもっと浸透していくかも知れません。

会席料理など生まれてから数回しか食べたことがありませんが、その場に居合わせたものだけが感じることができる心地よい緊張感や和の世界に包まれているという安心感のようなものなども食材を味わうこととは別の味わいとしてプラスされています。

タクティリスもたぶん同じだと思います。

相手に対しての想いや自分が楽しもうという気持ちを五感に訴えかけることによって、心に触れることができるような気がします。

そこには性欲を満たすということを超えるものが確実に存在しているのです。

会席セックス。

先付けではないですが、まずはパートナーの指先から味わってみてはいかがでしょうか。

300字小説 第141
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『佐藤さん』

博史は宮田のうしろから外付けの鉄階段を上がっていく。客の部屋は二階の一番奥にあるらしい。

階段を昇りきると狭い通路の両サイドに植木鉢や空瓶がつまったビールのケース、古新聞に子供の乗り物などが雑然と置かれていた。

目的の部屋にはインターホンが無く、宮田はドアチャイムを鳴らした。ドアチャイムの上には表札があり、佐藤と書かれていた。中からは幼児の鳴き声と母親の怒鳴り声が聞こえてきた。

返事がないので、声が休まった頃を見計らってもう一度チャイムを鳴らした。

返事も無くドアが開き宮田が覗き込む。その後無言で博史を手招いて部屋に入っていった。

部屋は想像通りの散らかりようで、数匹の猫の存在は博史の予想を超えていた。
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