サロゲートパートナー

夫婦問題や性についての悩みをサロゲートパートナー(代理恋人)が解決いたします。

2013年10月

今日、作家になるために勉強しようと思い、とある学校に入学申込書と入学金を持っていきました。

たまたま僕が受講する講師がいて、挨拶をしました。

講習代は、一括で払うと結構な額になるので、今朝までどうしようか悩んでいたのですが、その講師の顔を見て、決めてよかったって思いました。

たぶんこのままの生活を続けていると絶対に出会わないようなキャラだったので・・・。

これも僕が創造していると考えると本当にワクワクします。

これから1年間という短い期間ですが、出会いや発見がたくさんあると思います。

このブログや裏日記(最近全然更新していませんが・・・)でも逐一、報告していこうと思います。

今日は、僕にとっては記念すべき日となりました。

とりあえず高級万年筆が必要かな~。

その前に300字小説もちゃんと書くべきですね。

300字小説 第83回
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『リレー』

正美の笑顔を見て安心したのか、サトルも笑顔になった。

「いってきます!」

戦いに勝った戦士のように胸を張り、あごを引いて、太くて低い声を出していた。

意味のわからないサトルの態度にまた噴出してしまった。

「ユーちゃん、待たしてるのと違うの?早く行きや」

玄関でどたどたと靴を履く音が聞こえて、ドアが開かれた。

「いってきま~す!」

いつもの元気な声に変わっていた。

「ハンカチ持った?」

正美は、そのままハンカチのある場所に向かっていた。

「忘れた~」

「靴、履いたまま、待っときなさい」

扉を開けてリレーの選手のような態勢で待っているサトルにハンカチを手渡した。

「どこにも行かんといてな」

姿が消え、扉がゆっくりと閉まった。
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相手のことを想うあまりに怒りが湧いたり、悲しくなってしまうような感情は、初恋をしていた10代から老人ホームに入所した80代のお年寄りでも変わらないようです。

たくさん経験すれば免疫が出来て、いつも冷静に判断できるようになるというようなものではないのかも知れません。

むしろ年を重ねることによって、恋愛の大切さを実感し、よりいっそう感情の触れ幅が大きくなるのでしょう。

施術に来られた女性から現在進行中の恋愛パートナーの話を聞くといつも感じることがあります。

それは、パートナーに対する猜疑心、嫉妬、セックスに関する悩みなどの愚痴や悩みの相談を受けたときに感じるのですが、そういった気持ちを抱ける環境にいるということを楽しんで欲しいということです。

ある介護施設に勤務をされている女性に聞いた話ですが、新しい入所者の男性が、ちょっと紳士的で優しい人柄だと、女性の入所者の行動や態度が、顕著に変化するそうです。

食事の際には、いつも普段着だったのが、着飾ったり、化粧をしたりなど、あきらかに施設の雰囲気が変わるそうです。

相手のことを考えるあまりに、自分自身が辛くなるという感情は抑えることが出来ないかもしれませんが、その感情を抱くことが出来ているということを楽しんで欲しいと思うのです。

無人島にひとりで暮らせば魚を釣る技術は向上するのかも知れませんが、そういった感情を体験することは出来ません。

荒波にもまれている魚介類のほうが、味に深みがますのと同様で、人もたくさんの経験をしながら悩み苦しむほうが、魅力が増すような気がします。

更年期を迎えて閉経を待つだけという女性が、このまま終わってしまうかも知れないという焦燥感や喪失感のようなものを抱えて相談に来られることもありますが、体の変化よりも心をどう維持するのかということのほうが大切だと話します。

実際に50歳を超えてもとても魅力的な人がたくさんいらっしゃいますし、むしろそのぐらいの年齢からこそ、大いに恋心を抱いて欲しいと思います。

そして忘れていた感情を取り戻すことで、心を若返らせるべきではないでしょうか。

結婚しているからとか、子供がいるからとかを考えずに自分ともっと向き合うべきだと思います。

そうすることが、ご主人やお子さんにとってもプラスになるはずです。

諦めたり、行動を起こさなくなったりしたときに、あなたの人生も止まることでしょう。

いつまでもドキドキしていたいという気持ちがあって、そのために行動するということをやめない限りは、若いままでいるはずです。

年齢は関係ありません。

50でも60でも70でも、今日から始めれば大丈夫です。

恋心を抱いている女性は、キラキラしています。

次は、あなたがキラキラしてみては、いかがでしょうか。

300字小説 第82回
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『にらめっこ』

化粧をすることも外出の際に服を選ぶことも家事と同じ、単なる作業のひとつになっていた。

まるで感情を入れると効率が悪くなるかのように、ただ、時間内に完成させることを目的としていた。

洗面化粧台の前で、いつものように作業をこなしているとランドセルを背負った、次男のサトルが、近づいてきた。

普段なら邪魔をされたくないので、遠ざけるようにしていたのだが、この日は違った。

しばらくの間、サトルは、正美の横に立って、一緒に鏡を見ていた。

鏡を通して視線が合うたびに正美を笑わせようとしたいのか、表情を変えている。

学校に遅刻するかも知れないぎりぎりの時間なのに、必死に顔を作っているサトルが、おかしくて、ついに噴出した。
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男性のほとんどが、射精をしてしまうと急にそれまでの興奮が嘘のように醒めることがあります。

風俗嬢の間では、その瞬間を賢者タイムというそうで、急にそれまでのオスから知識人のように変化する様子を表現しているようです。

女性の場合は、男性のように一度絶頂を迎えたらもう満足で、それ以上はあまり触って欲しくないという人から続けて絶頂を体験したいという人まで様々です。

先日、施術をさせていただいた女性は、前者のタイプのようで彼女自身はそのまままた続けてもらっても大丈夫ですと言われていましたが、もっとしたいというエネルギーを感じなかったし、恥ずかしいという気持ちからかも知れませんが、腕を顔の辺りにもっていかれていて、どちらかというと体は拒絶しているようでした。

予定の施術時間としては余っていましたが、無理にする必要もないと感じたので、男性のように一度絶頂を体験すると満足する女性もいるということを話すと急に楽になったのか、それじゃあもういいですという返事をもらいました。

僕の単なる思い込みかもしれませんが、女性の多くは、本心を横において相手のことを思いやって成り行きにまかせるような気がします。

彼女の場合は、施術の終了までまだ余裕があるので、僕のことを思ってくれて仕事をさせないと悪いなという気持ちになっていたように感じました。

つきあっているパートナーが好きだからこそ、その彼の要望に応えたいという気持ちと本心とのギャップに悩む女性はたくさんいます。

いかせたい彼といかない私という構図があるために、彼のためにという気持ちが、僕のような立場の人間を見つける力になるようです。

本当に女性は、けなげだとよく感じます。

冒頭の彼女は既婚者ですが、少し前からご主人とは違う男性とお付き合いをされているそうです。

施術後半には、女性を抱きしめたりするのですが、その時にも少し拒否をしているしぐさがあったので、無理に抱きしめませんでした。

施術が全て終わったときにその事も話しました。

たぶん抱き合うという行為は、お互いの愛情を確かめるための行為だと彼女の中にあったせいだと思います。

彼女にとっては、性感マッサージ師を利用するという行為と心を通わせることは、まったく違う次元の話だったのでしょう。

どういう風に利用するかは、利用する人の自由なので僕は出来るだけそれを尊重したいと思っています。

今回の場合は、抱きしめる行為を拒絶することが、付き合っているパートナーを裏切らないことになるということで、彼女はそれを望んでいたようです。

そういった感想を話したところ、彼女自身も納得したみたいで、彼への愛情を再確認できたようでした。

風俗が浮気かどうかという議論が時折ありますが、今回の女性に関しては100%浮気ではないと断言できます。

心と体の問題は、本当に奥が深いなと実感できる施術となりました。

300字小説 第81回
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『抜け殻』

早朝に起きて、家族の朝食や弁当を作り、パートに出るための用意をし、昼食に戻る。

午後からのパートをこなして、夕方の買い物。

夕食の準備と洗濯をし、長女と次男と一緒に食事をとる。

夫や長男の夕食は、別に分けて用意をしておく。

洗濯物を取り入れて、収納場所に戻して、入浴。

全員が眠ったら食事の片づけをして就寝。

翌日も同じことが繰り返される。

夫との会話は、あの夜の口論からまったくなくなっていた。

アゲハからのメールもない。

ただ、それだけだった。

正美は、感情のない機械のように同じことを繰り返すだけの生活をしていた。

そこに人生の目的を考えたり、生きがいを見出すことができなかった。

自分の存在すらわからなくなっていた。
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コミュニケーションの心理学(松雄太加志著)という本を読んでいます。

普段当たり前のように人と会話をしてコミュニケーションをとっていますが、送り手から受け手に伝えるためには、いくつかの約束事をクリアしていなければいけないということを知りました。

以下の二つの文章を例にあげてみます。

1.「今度は、殻がうまく割れたので、できたと思ったら、前と同じ結果だった。油を敷くのを忘れていたので、黄色いところがぐちゃぐちゃになった」

2.「作り直して今度はエラーが出なかったから、できたと思ったら、前と同じ結果だった。リンクし忘れていたので、前のが動いていただけだった」

1は、目玉焼きを作っている話だと誰もがわかりますが、2のほうは言葉は理解できても何のことを話しているのかは理解できない人が多いと思います。

2は、プログラムを作り直している話のようです。

構成としてはよく似ていますが、プログラムに関する知識があらかじめ頭にないと理解することが出来ません。

目玉焼きを見た事も聞いたこともない人にとっては、1の言葉も2と同じに扱われます。

知識があらかじめ頭の中に入っていることを既有知識といい、その中でも認知的枠組みのことをスキーマというそうです。

ここらへんの言葉は難しいので覚える必要はないと思いますが、2の言葉が理解できる人は、プログラム作成のスキーマを持っている人ということになります。

夫婦間でも互いに自分だけのスキーマを持っているはずで、当たり前のように話をしてもまったく理解されていないという可能性があるということを知って欲しいのです。

相手が理解できないということがわかれば理解できるように説明をしなおせばいいのですが、大抵は相手にうんざりするか、怒るかのどちらかではないでしょうか。

またよくあるのが、奥さんが帰ってきたご主人にその日あった嫌なことを話してどう思うか聞いたときに起きる行き違いです。

ご主人としては、意見を聞かれたと思うので、自分なりの正論を返しますが、奥さんはただ話をうなずきながら聞いてもらって、同意してもらいたいだけのようです。

奥さんを批判するような意見などを言ってしまったら本当に大変なこととなります。

コミュニケーションが大事だということがわかっていても、そういった構造的なことを教えられてきたわけではないので、勘と経験でぶっつけ本番といったことになります。

また内面的な知識だけでなく、ステレオタイプなどもコミュニケーションの障害になることがあります。

ステレオタイプとは、ステロタイプとも言われて、もともと印刷用の鉛版(ステロ版)が語源です。
判で押したように同じ考えや見方や態度などが、多くの人に浸透していることをいいます。

男の子は、ロボットや車が好きで、女の子は、お人形。

とか、男は恋愛映画よりもアクション映画を好むとかいった決め付けのことです。

妻は、家にいて家事や子育てに専念するというのも、古いステレオタイプになります。

未だに自分の稼ぎを棚にあげて、そういった考えを持っている男性もいるようですが・・。

プロトタイプ(典型例)は、たとえば果物を想像してと言われるといくつか候補があがりますが、りんごを想像する人は多くてもドリアンを想像する人は少ないといったようなことです。

果物のプロトタイプは、ドリアンよりもりんごだと言えます。

女の子の将来の夢にお嫁さんが候補にあがりますが、このときに頭に描いているお嫁さんとは、教会で白いウェディングドレスを着ている状態であって、自転車の前と後ろに子供を乗せ、かごには買い物袋をいっぱいに詰めて疾走している姿を想像することはないでしょう。

現実では、そういった時間のほうが圧倒的に長いのですが・・・。

主婦だけでなく、パイロットでも医者でも弁護士でもイメージと現実は、かけ離れています。

僕の仕事のようにマイナスのイメージがステレオタイプのほうが、楽なのかも知れません。

そういったステレオタイプに左右されずにひとりの人間としてみてくださる女性が、予約をしてくれいるのだと確信しています。

ちょうど前回の300字小説にも書きましたが、もし夫婦関係が悪い状況であるのでしたら、お互いにこうあるべきというものを捨てて、ひとりの人間だということを尊重して関係を再構築されたらと思います。

それは相手に対してもそうですが、自分への決め付けを外す方が大切なような気がします。

300字小説 第80回
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『返信メール』

正美は、送信しましたという画面を眺めていた。

アゲハに送信したメールに対しての返信を期待するという気持ちは、湧かなかった。

たんたんと食事を済ませ、片づけをしているときにメールの着信を知らせる振動音がなった。

《ちゃんと覚えてますよ!

仏像の話が出来て楽しかったし、うどんもおいしかったですね。

デートはいつでも大丈夫です。

基本、暇なので、まみさんの都合に合わせます。

連絡楽しみにしてますよ~。

アゲハ》

絵文字もないすっきりとした本文が、自分宛のものなのかがわからなくなっていた。

返信されたといううれしさやまた会えるという期待感なども不思議と感じなかった。

都合のいい日を考えることもなく、午後のパートに向かった。
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