野球でもサッカーでも、スポーツにはポジションというものがあります。
これは団体競技に限らず、テニスやレスリング、その他、個人競技であってもポジションというのは、大切です。
立ち位置とか姿勢などとも言われることもあります。
人生においても、このポジションというものが、とても大きな影響を与えるようです。
フリーターやニートなどをしていると、親や親戚などから定職というポジションにつくことを期待されますし、女性が、結婚適齢期になっても独身の場合は、妻というポジションを目指して欲しいと思われるのです。
また、生きている価値を見出せないでいる人は、自分の立ち位置が、わからなくなっているのかも知れません。
子供のときから名前順や背の順、学年、クラスなど自分のポジションが、確立された世界で成長してきます。
会社に入っても、新入社員、リーダー、主任、係長、課長、部長・・・・・・など、肩書きや役職によって、自分を位置づけるのです。
常になんらかの相対的な基準で、自己を認識しています。
しかし、この相対的な基準で、生きることは、とても大きなリスクを抱えているということを理解する必要があると思います。
会社や所属している団体から追い出されたり、それ自体が無くなってしまったら、自分のポジションが消滅してしまうのです。
妻として夫にしがみついていても、離婚をすれば無となります。
昨日、紹介した海外ドラマの「24」の中で、大統領候補となる議員が登場しているのですが、彼は終始自分の信念を貫き通しました。
大統領になれなくても、暗殺の危険が伴おうとも、自分自身を見失うことはありませんでした。
彼は、自分のポジションを相対的な基準ではなく、絶対的な基準で決めていたのです。
自分が納得できる場所に立っているかどうかです。
自分が作った基準で、立ち位置を決めることが出来ていれば、たとえリストラされても離婚をしても、親や兄弟と死に別れても、一時のショックから立ち直るのが、相対的な基準で物事を判断している人よりも格段に早いと思います。
あなたの人生は、あなたが全て基準です。
決定権は、100%あなたにあるのです。
4番でホームランを打つポジションでもいいでしょうし、送りバントが得意な2番でも構わないと思います。
自分が、納得できるポジションであれば、人生を楽しく過せるはずですから。
300字小説 第88回
=========================
『鴨』
「あっ、どうもお久しぶりです! こんにちは……」
ホストとは思えないような慌てぶりに思わず笑ってしまった。
「なんで笑ってるんですか?」
「慌てすぎだなって思って……」
「まだ早かったので、鴨に気持ちがいってました」
「鴨?」
「ほら、あそこ」
アゲハの指の先には、2羽の鴨が川の中ほどに浮かんでいた。
餌を探しているようでも、目的地があるようでもなく、ただ浮かんでいるだけだった。
それは生き物というよりもオランダの芸術家の作るラバー・ダックを連想させた。
「置き物みたいでしょ」
「うん。寒いのかな……」
「寒かったら、あんなにじっとしていられないよ」
二人の始めてのデートは、置き物のような鴨についての会話から始まった。
=========================
※gmailから届くようにドメイン解除をお願いします。
←夫婦問題をテーマにしたブログは、こちらからご覧になれます。