小説家になろうというよりもとりあえず本を出版したいと思いついてから、早40年が過ぎています。
ちょっと盛り過ぎましたが、小学校のころから小説(その頃はSF小説)を読むことが好きで、自分も本を書けるといいなと思う程度でした。(マンガ家になりたい!はその何倍も思っていましたが・・・)
小説を書くことで生活費を稼げるようになるのは、競馬で万馬券を連続5回獲るぐらいに難しいのですが、本を出版することは、お金さえあれば一応は可能です。
先日参加した文芸社主催の「作家になるための講座」で紹介された「リアル鬼ごっこ」という本は、自費出版という形で出版費用を作者と出版社とで折半したそうです。
これは絶対に売れるという確信を出版社側(文芸社)が持っていれば、もっと手厚く作者をフォローしていたのでしょうが、結局、文庫化にともなって文芸社から幻冬舎に変わって200万部以上の大ベストセラーになっています。
マーケティング力の差も大きいというのが、乗り換えた一番の理由かも知れませんが・・・。
その道のプロであっても売れるかどうかというのは、わからないと言うことです。
まあそんな結果については完成してからでも考えるとして、まずは書かなければ何も始まりません。
3億円を当てたいのならまず宝くじを買うことが必要なのとまったく同じです。
と、いうことで小説を書きます!
一番最初に思いついたのは、日本経済新聞で連載されてベストセラーとなった「失楽園」です。
内容はどうでもいいのですが、新聞に毎日掲載されるわけですから、文字数なども制限が決まっているでしょうし、毎回タイトルを考えて、それでいて初めて読んだ人にもそれなりの満足感を与えながら続きが読みたくなるという構成にしなければいけません。
そこで書く前にとりあえず新聞小説の文字数はいったいどのぐらいなのかということから調べました。
はっきりとしたことはわからなかったのですが、朝日新聞に連載されていた萩原治さん(愛しの座敷わらし)の記事を読むと22字×48行以内で収めるとありましたので、約1000文字、原稿用紙2枚半に収めればいいということになると思います。
びっちりと入れると1000文字ですが、失楽園や愛の流刑地などはそれまでの難しい経済関連小説からすると半分ぐらいスカスカでかなり軽めであったという記事もあったぐらいなので、600字程度でも十分に体裁はとれるのではないかなという印象です。
そんなことをいろいろ調べていて面白い記事を見つけました。
300字小説という記事について書かれています。
もともとはアメリカの「フィフティ・ファイブ・フィクション」という55語でまとまられた小説なのですが、日本語にすると300文字が適当になるようです。
「極短小説」として新潮社から出版されているので興味のある方はお読みください。
僕もとりあえず研究のために急いで本を購入しました~。
愛しの座敷わらし
失楽園(上・下)
極短小説
です。
ついでにと言ってはなんですが、300文字小説で今回の記事を締めようと思います。
※ちなみにここまでの文字数(改行や空白を除く)は1292文字です。
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「Mとの遭遇」
熱を帯びているかのような温かい手がうつ伏せの腰にそっと置かれた。
時間にすると5秒もなかったはずだが、背骨を通り越して子宮まで熱が伝わってきた。
ふいに卵子が着床したときと同じ感覚になった瞬間、Mのその手がゆっくりと時計回りに動き出す。
自分の背中に別の生き物が寄生しているような感覚を覚えた。
それは決して不快ではなく、なぜか生まれる前の記憶を呼び覚ますような不思議な感覚だった。
日常で何度も見た主人の冷めた目や子供の泣き顔、猜疑心の塊のようなママ友の笑顔が、時計回りの手の動きに合わせて黒板消しで消されるように消滅していった。
性感マッサージを受けるA子の緊張感は、その時、同時に消えていた。
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293文字でした~~。
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