山本周五郎賞の受賞式で受賞者である湊かなえさんの言葉の中に、印象に残るものがありました。

正確な言葉ではないですが、僕が受け取った意味として紹介すると、悪を描く時に悪人の行為ではなく、往々にして善良な人の行為から生まれることの方が多いという点に着目したいといった内容だったように思います。

テロや戦争を起こす人たちも、悪いことをしているという意識は無いはずです。

本当にこれは正しいことなのだろうかと自分の良心と葛藤しながらする行為は、救いがあるような気がしますが、心から世のため人のためだと思ってする行為が、結果的に相手に迷惑をかけていることは、とてもやっかいなものです。

世の中は、もしかするとそういった行為が入り乱れ、お互いに本音で話すことが出来ない世界かもしれません。

鎧の上から痒いところ掻いているような状況です。

生まれてきた理由を人の役に立つためや社会貢献のためだと言う人がいますが、そんな人ほど自分勝手で傲慢な人だと思ってしまいます。

もし善行をするのなら、人の為ではなく、自分の為にしたいです。