先日の稲葉さんとの会談で談春さんの著書「赤めだか」に興味を持ち、読むことにしました。
芸人の話は、又吉さんの「火花」や鈴木おさむさんの「イエローハーツ」などを読んでいましたが、素材としては一番面白いです。
ただ、文章の流れが、別人が書いたの? っていうほど最初と最後だけはリズムがよかったのですが、途中は時間がなかったのか推敲できなかったのかはわかりませんが、まとまりがありません。
しかしそんなことを割り引いても、いい作品だなと感じました。
立川談志という強烈な個性の塊に魅了され、中卒の男が形成されていく姿が描かれています。
現在50歳の談春さんですが、たぶん彼の今を形成しているのは、親ではなく間違いなく談志さんと落語です。
僕ももしかすると性感マッサージとの出会いが、自分を形成するための大きな出来事だったのかも知れません。
出会った年齢は、かなり違いますけれど……。
「修行とは矛盾に耐えること」
師匠の言うことは、黒いものでも白と言われれば白として扱わなければいけません。
師匠と弟子の数多くのエピソードがあるのですが、師匠の前では借りてきた猫のようになっている姿は、僕が唯一サラリーマンをやったときの社長の前にいるときの姿と同じでした。
5年で嫌になって、退社し、自分で会社を興したのですが、そのままずっと耐えていたとしたら、まったく違う人生になっていたことでしょう。
続けていくのも辞めるのも、どちらも自分の選択によるものです。
後悔さえしなければどちらを選択しても正しい選択になります。後悔しないための秘訣は、今がベストだと常に自覚することではないでしょうか。