海外ドラマの中で、父と娘の仲がうまくいっていなくて、関係を修復しようとした父が放った台詞が印象に残っています。
「橋だ!」
???
娘からするといきなり橋と言われても、正直リアクションに困ると思います。
ドラマの中でも、首をかしげるだけだったのですが、父親のほうはそんなリアクションにもおかまいなく、持論を展開します。
橋というのは、信頼のことだそうです。
父と娘の間に出来た大きな溝をその橋を架けることで、修復したいと思ったのかも知れません。
その親子のことは、さて置き、実際の人間関係においても橋は重要なのではないかと感じました。
母親の胎内にいる間は、へその緒という頑強な橋によってつながっていますが、出産すると同時に、その橋は撤去され、新たな橋を構築することになります。
親側の地盤と子供側の地盤には、差があって、親側の硬い地盤に合わせて計算された橋は、子供側の地盤では役に立たない場合があります。
夫婦の場合はどうでしょう。
恋愛途中であれば、簡素なつり橋でも、渡れることだけで十分だったものが、子供が生まれ、親の介護が問題となり、リストラや病気など、さまざまな問題が発生した場合には、そんな橋はなんの役にもたたなくなるのです。
互いが相手に届くように橋を建築し、溝の真ん中でうまくつなぎ合わせることが出来ればいいのですが、たいていはすれ違ってしまい、もろくも崩れ落ちてしまうことでしょう。
次回、橋を建造するときには、互いの距離と地盤の強度を綿密に計算し、災害にびくともしない堅牢な橋を完成できるようにしてください。
大変な橋を建造するよりも、つり橋で十分な関係を維持できる相手を探すのもひとつの方法かも知れませんが……。