子供が小さいうちに離婚してから一生懸命に生きてきて、やっと子育てから開放され自分を見つめなおしたときに女としてもう終わってしまうのかという焦燥感のようなものが湧いてしまうことがあります。

そんな方がたまに見えられるのですが、どの人もまだまだこれから女性を謳歌して欲しい、するべきだと言えるほど魅力的な方ばかりです。

彼女たちが口を揃えていうことは、自分に魅力がないとか出会いがないということです。

以前、気持ちよくなる方法を数学的に公式にしようとしたのですが、その時に「隙」という要素を挙げました。

出会いは物理的にないということもありますが、それ以上に隙を作っていないのだと思います。

子育てに必死のときは、子供に全精力を費やしているわけですから隙など出来ないのも当たり前なのかも知れません。

とにかく予約をされる人は真面目な方が多いのです。

僕は車のハンドルと同じように遊びも必要だと思います。

やっていることは同じでも心の余裕があるのと無いのとでは、大きな違いが出ます。

陽が昇る前から起きて一日中動き回っている女性がいるのですが、彼女からはとても余裕が感じられるのです。

女性としての魅力もあり、たぶんその原因は誰かの為にやっているのではなく自分自身のためにやっているからだと思います。

彼女は人からの誘いがあっても、嫌われると嫌だから付き合うということはしません。

能動的に行動を起こしたいと思わないことはきっぱりと断ります。

それでも周りからとても大事にされているのです。

自分の理想の彼を作りたいと思うのであれば、逆説的になるかも知れませんが、彼に理想を求めないことが大切です。

彼に何かを求めることは依存していることになるからです。

依存している限りは、自分の幸せを他人に左右されることとなり、不安定な状況が続くことになります。

理想の彼を作る前にまず理想の自分像を作ることをお勧めします。

あと、引き寄せの法則というのがあるのですが、彼氏が欲しいと思っている限りは彼氏が欲しい状況がずっと続くこととなってしまって、結果的に彼氏が出来ないということになります。

彼氏が欲しい状況=彼氏がいない状況

ですから彼氏が欲しい人は、彼が出来たらこんなことをしているだろうなということをすればいいのです。

二人分のディナーを予約して、1人で食べるといったミステリーのようなことではなく一緒に旅行に行っていることを想像しながら旅行会社のパンフレットを眺めるのもいいでしょうし、彼の為に料理や編み物を練習するのもいいかも知れません。

いくつになってからでも遅くはありません。

トキメキがある間はいつまでも青春時代のはずですから。

300字小説 第154
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『闇』

「ただいま」

博史は玄関を開けるといつもより大きな声で帰ったことを告げた。

正美は、わざわざ玄関先まで迎えに来ることもあったが、今日はおかえりの言葉も聞こえてこなかった。

人のいる気配は感じるのだが、なぜか重苦しく感じた。

リビングに入り、あたりを見回したが正美がいない。

隣接している和室は電気が消えていたが、じっくり覗くとそこに足を崩して座っている正美の後姿があった。

正美の前には優が寝ていた。

「ただいま」

博史は正美に声をかけた。

「おかえり……」

かすかに聞き取れる声で正美が返事をした。

博史は暗がりの中にいる正美の横に座って優の寝顔を見た。その時、小さな口をとがらせながら乳首をすっているような音をたてた。
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