VTAは、ventral tegmental areaの略で、日本語で腹側被蓋野(ふくそくひがいや)といいます。

腹側被蓋野は、中脳にある領域で、簡単にいうとドーパミンを作り出す場所だそうです。

ドーパミンを超簡単に説明するとやる気を起こさせる物質にあたると思います。

うつ病などはドーパミンが不足していることからやる気がでなくなったり、集中力や注意力がなくなります。

逆にドーパミンが多く作られると幻覚や不必要だと分かっていながら同じ行動をする強迫神経症になったりするそうです。

僕が入院する直前は、頭の中がドーパミンで溢れていたのでしょう。

今回、VTAという聞きなれない言葉をテーマにしたのは、普段から西洋医学を否定的に考えている僕でも体の仕組みを無視するほど精神を鍛え上げているわけではないので、素直に科学的な側面からタクティリスについて考えてみようと思ったからです。

VTAという言葉を知ったのはつい昨日のことです。

ある治療院専門のマーケティングコンサルティング会社のメールマガジンに「あんしん療法」という整体をされている院長の話をまとめた動画を観れるということで、早速メルアドを登録して視聴したときに、その院長が説明していました。

彼の整体の特徴は、人間の体はやさしいものしか受け入れないという考え方をベースにされていて、痛みをともなう施術を否定しています。

実際、彼の施術をみても触るか触らないかといった感じで、まるで僕のタクティリスのようです。

痛みを感じるのも和らげるのも結局は、脳の中で感じているわけで、患部をほぐすとかいうよりも脳の中のVTAのような場所を刺激して鎮痛作用を促進したり、βエンドルフィンなどの快楽ホルモン分泌を促して正常な状態に戻しているのです。

整体の場合は、まず患者さんに脳が気持ちいいと思えば痛みや動きづらさなどが改善されると信じてもらうことが、一番重要だということでした。

以前、タクティリスをさせていただいたかたの感想メールを記事にしましたが、たぶん施術したテクニックではなくて、彼女の脳の中に自然に痛みを和らげる物質が分泌されていたのではないかと理解したのです。

施術を終えて一緒に駅まで歩いているときに体が軽くなったとか、エネルギーが満タンになったとか言ってもらっていたのも、たぶんドーパミンやβエンドルフィンなどが普段よりも格段に分泌されていたせいだと思います。

「あんしん療法」では手をかざして気を送り込むだけでも患部を改善することもできるとありました。

それはたぶん気を送り込んで患部から脳へ信号を送るというよりも、施術者である院長の気持ちが治るということを確信しているせいだとその動画を観ていて感じました。

同じことをしても半信半疑でやっているそのセミナー参加者には、実感できないはずです。

治療するということは、たぶん受ける側の気持ちだけではなく、施術する側の気持ちもかなり重要なんだと思いました。

今後のタクティリスには、その院長の自信にみなぎった姿勢を見習いたいなと思います。