高血圧患者が4000万人、高コレステロール血症3000万人、糖尿病は予備軍も含めて2300万人・・・・と、日本にはすごい数の「病人」がいることになっています。

これは、薬を売るための策略としか思えません。

「このぐらいからは治療したほうがいいよ」という高血圧の基準が、たいした根拠もなくどんどん下がっているんです。長い間、最高血圧の基準は160mmHgだったのが、2000年に140に、2008年のメタボ健診ではついに、130にまで引き下げられています。

50歳を過ぎたら「上が130」というのは一般的な数値ですから、たいてい高血圧患者にされ、降圧剤を飲んで「治療」するハメになる。

その結果、薬品会社はホクホクです。1988年には降圧剤の売り上げがおよそ2千億円だったのが、2008年には1兆円を超えて、20年間で売り上げが6倍に伸びています。血圧商法、大成功ですね。

と冒頭からショッキングな内容の文章で始まるこの本は、僕のようななんの権威もなく、信憑性のあるデータも提出できない人間ではなく40年間も医師をされているかたが書かれています。

近藤さんは、ここ数十年骨折と疑わしい時以外には病院で検査を受けたことがないそうで、歯の痛み止め以外の薬も飲まれたことがないといいます。家には血圧計がないので、自分の血圧も知らないそうです。

1996年に成人病を生活習慣病と名称を改めたのですが、メタボや高血圧、高コレステロールなどは歳を重ねていくと当然そうなっていくものであって、成人病というほうが的を得た名称だということです。

実際老化がすすむと血管が硬くなっていくので、血圧が高くなければ全身へ血液を供給できなくという理由から高血圧になるそうなのですが、本質的なことを無視することで誰かが儲かる仕組みになっているのかも知れません。

医療分野に限らずどの業界もそのルールを作る人間が潤うようになっているのが、資本主義なので仕方がないと思います。

それともうひとつは日本人の資質も原因かもしれません。僕みたいなひねくれ者からみると本当に素直で疑うことを知らない従順な人々の集まりだと思うからです。

僕の母親はその典型といってもよくて、健康な時から健康食品を人にすすめられるままに利用していました。今は内臓の疾患で手術を何度もし、入退院を繰り返しています。

そんな彼女にこの本を薦めようとは思いません。自分が正しいと思って生きようと頑張っている意志を否定してしまうことになるからです。

もう少し健康になって病院や薬から離れることができる状況になったときにでも読んでもらうかもしれません。

この本には47の心得として本当にショッキングなことが書かれています。

しかし数十年間に渡っての経験と統計データから導き出された著者の確信はとても説得力があります。もともと僕自身もほとんど同じような考え方だったので、自分の考えをより強固なものにするための証拠となりました。

医療に限らず、その分野の一線で働いていた人たちが、疑問をもち根底からくつがえすような理論を発表していることが最近ところどころで目立つようになってきました。

なんとなく大きな変革の前の予兆のような気がします。

4ヶ月ですでに56万部も売れているそうです。大きな変革はすぐそこまで来ているのかもしれません。